2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel human intestinal disease model to elucidate intractable gastrointestinal malabsorption disorders
Project/Area Number |
16K21668
|
Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
佐々木 健吾 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 臓器・運動器病態外科部, レジデント (10740871)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 胆汁酸 / オルガノイド / iPS細胞 / CYP3A4 |
Outline of Annual Research Achievements |
胆汁酸は小腸下部で再吸収され門脈を経由し肝臓へ運ばれ化学抱合を受けたのち再度小腸へ分泌される腸肝循環が行われる。腸管における脂肪吸収と腸管吸収機能不全との関連を分子レベルで解明していくため、単一遺伝子性疾患に着目し体外培養系の疾患モデル構築を行う。ヒト人工多能性(iPS)細胞技術を応用し、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型(PFIC1)の疾患モデルを構築し腸管胆汁酸循環機構を分子レベルで解析する。PFIC1-iPS細胞から胆汁酸代謝関連遺伝子発現が備わった腸管組織を作製し疾患動態を解明する。本研究は、これまでに有用な疾患研究モデルがなかった難治性腸管吸収不全症にとって有用であり、同時に治療薬シーズ開発を効果的に行えるバイオモデル構築を目指す。PFIC1は膜タンパクであるATP8B1(ATPase, aminophospholipid transporter, class I, type 8B, member 1)遺伝子の異型接合性変異(常染色体劣性遺伝)により発症する。ATP8B1遺伝子の異常によりABCB11(ATP-binding cassette, sub-family B (MDR/TAP), member 1)やSLC10A2(solute carrier family 10 (sodium/bile acid cotransporter), member 2)など多くの胆汁酸トランスポーターの発現を2次的に低下させるが、その機序は全くわかっていない。小腸に発現している胆汁酸トランスポーターであるSLC10A2の発現も低下しており、吸収障害による下痢が生じる。代謝系酵素の発現とトランスポーターの発現解析を行い、特に、CYP3A4の酵素活性機能検証を行った結果、他のオルガノイドにはない酵素活性を示した。オルガノイド内腔でCYP3A4代謝産物の蓄積が確認できた。
|
Research Products
(8 results)