2017 Fiscal Year Research-status Report
キリギリス類の形態・分子・音声をセットにしたコレクション構築と分類学的再検討
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16K21671
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
清 拓哉 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究員 (40599495)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 分類学 / 博物館学 |
Outline of Annual Research Achievements |
・平成29年度は平成28年度に引き続き、各地においてフィールド調査をおこなうか、採集を依頼するなどして、バッタ目のキリギリス科についてサンプルを収集した。入手した一部のオスについてはデジタルレコーダーを用いて鳴き声の録音をおこなった。これらのキリギリス類の脚を数本切断し、無水エタノールにつけてDNA抽出用のサンプルとしてディープフリーザーで保管をおこなった。脚を数本切断した後の体は整形・乾燥後、標本として、上記DNAサンプルや鳴き声データと対応がつくようなかたちでラベル付けなどが行われ、国立科学博物館の標本収蔵庫で保管される予定である。 ・入手したDNAサンプルからDNA抽出をおこなって、ミトコンドリアの遺伝子の配列決定をおこなった。COI遺伝子のDNAバーコーディング用の領域がPCRによる増幅が全体的に成功率が低かったため、16Sリボソーム遺伝子の配列決定に切り替えた結果、ほぼ全てのサンプルにおいてPCRによる増幅が認められた。配列決定をおこなった結果、それぞれのサンプルから約550塩基対の配列データを得ることができた。各配列をアライメントした結果、それぞれの集団で違いが検出されるものの、欠失・挿入の多用されたアライメントとなり、系統推定に適したアライメント結果を得ることができなかかった。今後の課題として、リボソーム遺伝子の領域ではなく、COI遺伝子などタンパク質をコードした領域をPCR増幅するためのプライマーセットの開発をすることがが望ましい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・系統推定のためのデータとして16Sリボソーム遺伝子の配列を解析したが、系統推定に適したデータとは言えなかった。COI遺伝子などのタンパク質をコードした遺伝子領域の解析が望ましい。 ・入手したキリギリス類標本の性比が大きくメスに偏っており、鳴き声の録音があまりできていない。 ・サンプルの入手速度が予定していたよりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
・ミトコンドリアの16Sリボソーム遺伝子の配列を解析したが、系統推定に適したデータとは言えなかったため、COI遺伝子などのPCR用プライマーを新たに開発する。 ・サンプル収集の対象地域を縮小する。
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Causes of Carryover |
・DNA抽出用のキットの購入費用や、サンプル採集用旅費として使用される。
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Research Products
(3 results)