2020 Fiscal Year Annual Research Report
The development and application of statistical methods to establishing methogologies of predicting the hazards of chemical substances
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16K21674
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
竹下 潤一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (60574390)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 毒性予測 / 副作用予測 / 薬剤性肝障害(DILI) / 統計的測定精度評価 / 質的データ / 2値データ / 順序尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は2019年度に引き続き,統計的アプローチによる毒性予測に関する研究および,毒性評価・予測に資するスクリーニング試験方法の統計的測定精度評価に関する研究を行った.また最終年度であるため,成果の取りまとめを重点的に行った. 毒性予測手法の研究については,これまでの研究で得られてきた統計的知見を一般化学物質だけではなく医薬品の副作用の予測に応用した.薬剤性肝障害(DILI)のポテンシャルについてその有無を判別する決定木モデルを構築した.説明変数としてソフトウェアDragonで計算される分子記述子を用いることで.特定の2つの分子記述子によって多くのDILIポテンシャルの有無の判別が可能であることがわかった.さらに,DILIポテンシャルと毒性発現機序に示唆を与える酵素ファミリーの1つであるシトクロムP450の阻害活性との統計的関連解析も行った.その結果,DILIポテンシャルを持つ薬物がDILIポテンシャルを持たない薬物よりも優位に阻害活性を示す分子種を複数特定することができた.これらの結果をまとめ国際誌に発表した. 統計的測定精度評価に関する研究については,質的尺度である2値尺度と順序尺度に対する統計的手法に関して研究を進めた.2値尺度についてはISO/TC 69/SC 6内で昨年度作成したガイダンス文章について,各国からのコメントに対応し修正版を作成しDTR(技術報告書原案)としての国際幹事に提出した.また,測定結果が順序尺度となる共同試験室実験結果を適切に解析する統計的手法について考察した.既存統計手法であるCochran-Armitageの傾向検定,累積カイ二乗検定,一般化線形モデル,累積法,ORDANOVAなどを応用し,同一の人工データと実例データをそれぞれ解析し,その結果を比較することで各統計的手法の得失を考察した.その結果をまとめ国際誌に投稿した.
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