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2016 Fiscal Year Research-status Report

ウェアラブル脳波計を用いた実環境下におけるワークロードの推定

Research Project

Project/Area Number 16K21688
Research InstitutionNational Institute of Information and Communications Technology

Principal Investigator

横田 悠右  国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳機能解析研究室, 研究員 (10710593)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords脳波 / 聴覚定常状態応答 / ワークロード
Outline of Annual Research Achievements

ウェアラブル脳波計を用いた脳波計測から、人がどの程度、脳を使用しているかといったワークロードを推定するための研究を実行中である。ワークロードの指標には、聴覚定常状態応答(ASSR)と呼ばれる脳波成分を使用した。ASSRは、申請者の過去の研究において、ワークロードに変化に応じて変調することが明らかにされている。本申請では、実環境下における脳波,ASSR計測からワークロードを推定することを狙いにしている。

本研究では、人が歩行している状態においても、ワークロード推定か可能かどうかを検証するため、人がトレッドミルの上を歩いている状態において脳波計測実験を行った。脳内のワークロードを変化させるために、Nバック課題と呼ばれる記憶課題を使用した。また、運動による負荷によってもワークロードが変化するかどうかを明らかにするために、歩行の運動幅を制限する拘束具を装着した状態における歩行実験も行った。Nバック課題による記憶課題実験では、合計で15人のデータを集めることに成功した。その結果、ASSRの活動はNバック課題の難易度が増加するにしたがって、減少することを示した。また、運動課題では、歩行が制限された課題において、通常の歩行課題よりもASSRの活動が減衰した。これらの結果から、ASSRは記憶負荷と運動負荷の両方において、人の脳内のワークロードが増加するにしたがって、活動が弱まることが示唆された。本研究では、ASSRという脳活動を歩きながらでも、ウェアラブル脳波計という手軽に脳活動が計れるシステムにおいて抽出することに成功した。

なお、本実験は国立研究開発法人情報通信研究機構の倫理委員会の承認を受け、すべての参加者に対して実験内容について事前に十分な説明を行なった後、参加の同意を得たうえで行なわれた.すべての実験は、ヘルシンキ宣言に記載された倫理基準に従って実施された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

ASSRからワークロードを推定する研究は、当初の予定よりも進展している。当初、歩行中に脳波データに大きなノイズが重畳するために、ASSRの抽出が困難ではないかという懸念があった。しかしながら、実際に脳波計測を行ったところ、脳活動とノイズの分離は容易であった。そのため、スムーズな実験、解析が実行できた。現在では、Nバック課題による研究成果は、ヒューマンインターフェースシンポジウム,IEEE EMBC学会で発表している。また研究成果を論文として世界に発信するために、frontier in human neuroscienceに投稿中である。

Strategy for Future Research Activity

現在、ワークロードを評価するためには、2-3分の脳波計測の時間が必要となっている。そのため、細かな時間変動、例えば数十秒単位でワークロードがどの程度変化しているかを評価することは難しい。そのため、今後の研究の方針の1つは、どの程度細かな時間においてもワークロードが可能かを検証することである。また、他の研究方針として、Nバック課題以外の課題を行っているときにワークロードがどのように変化するかを明らかにすることである。我々は、日常生活下において、様々な行動を行っており、時折、脳を酷使する状態がある。例えば、企業の工場においては、生産ラインを十分に稼働させるため、ノルマといった形で労働者が働いている。こうした状態において、どのタイミングで休憩を取るべきか、どう指導すれば効率的な学習が可能であるかを知ることは重要である。こうした情報を脳におけるワークロードから評価できるのではないかと考えている。

Causes of Carryover

実験用機器を導入する予定であったが,既存のシステムにてまかなうことができた.

Expenditure Plan for Carryover Budget

ウェアラブル脳波計にて異なる条件下で実験を行う.そのためのデータストレージや被験者謝金,場合によっては,実験器具のチューンナップを行う.

  • Research Products

    (6 results)

All 2016 Other

All Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 実環境脳波計測において聴覚定常状態応答からワークロードを推定する2016

    • Author(s)
      横田悠右、成瀬康
    • Organizer
      ライフエンジニアリング部門シンポジウム2016
    • Place of Presentation
      大阪国際交流センター、大阪府大阪市天王寺区上本町
    • Year and Date
      2016-11-03 – 2016-11-05
  • [Presentation] ウェアラブル脳波計を用いた 運動および記憶課題中のワークロード推定2016

    • Author(s)
      横田悠右、成瀬康
    • Organizer
      ヒューマンインタフェースシンポジウム2016
    • Place of Presentation
      東京農工大学小金井キャンパス、 東京都小金井市中町
    • Year and Date
      2016-09-06 – 2016-09-09
  • [Presentation] Estimation of human workload during walking from brain activity2016

    • Author(s)
      Yusuke Yokota, Shingo Tanaka, Akihiro Miyamoto, Yasushi Naruse.
    • Organizer
      38th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society
    • Place of Presentation
      Disney's Contemporary Resort、フロリダ州オーランド 、アメリカ合衆国
    • Year and Date
      2016-08-16 – 2016-08-20
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Nバック課題における聴覚定常状態応答から リアクションタイムの推定2016

    • Author(s)
      横田悠右、五十嵐康彦、岡田真人、成瀬康
    • Organizer
      第31回日本生体磁気学会大会
    • Place of Presentation
      金沢市文化ホール、石川県金沢市高岡町
    • Year and Date
      2016-06-09 – 2016-06-10
  • [Book] ウェアラブル脳波計の開発,ヘルスケアを支えるバイオ計測2016

    • Author(s)
      成瀬康,横田悠右 ,東佑一朗
    • Total Pages
      8
    • Publisher
      シーエムシー出版
  • [Remarks] 国立研究開発法人 情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター 脳情報工学研究室 神戸ブランチ

    • URL

      http://brain.nict.go.jp/

URL: 

Published: 2018-01-16  

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