Development and verification of effects of programs that can be notice of "role" for elderly people in need of care.

2018 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16K21696
• Research Institution: Nippon Bunri University
• Principal Investigator: 栗延 孟 日本文理大学, 経営経済学部, 助教 (50584512)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 役割 / 生きがい / 高齢者

Outline of Annual Research Achievements

本研究では，高齢者の「役割」の意識が本人のQOLの向上につながるという仮説のもと，①高齢者の社会的役割意識とQOLの関連を明らかにすること，②高齢者福祉施設で「役割」を創設し，意識させることを意図した実践を行い，その実践がQOLに与える影響を検討するものである。
定年退職後，再就職した高齢者に対するインタビュー調査では，自分の行った仕事への正のフィードバック（他者からの称賛・自己の成長の認識・仕事の満足感）や他者との交流がQOLを向上させることが示唆されていた。
これに基づき，デイサービスの利用者を対象として，役割を実感できるプログラムの開発を行った。まず，「お仕事ポイントカード」というスタンプカードを作成し，各利用者に配布した。また，各机の上にポイント表を用意し，お仕事の内容とポイントについて各利用者が理解できるよう配慮した。ポイントカードで特定のポイントが貯まったら，施設長から感謝状がその利用者に送られるようノベルティを設定し，職員がスタンプを押す際も利用者に感謝の言葉を述べながら行っている。これらの活動を通して，利用者が自分の行った仕事への正のフィードバック，特に視覚的なフィードバックが得られるように活動を行った。
その結果，利用者は自ら進んでデイサービス内で自分の仕事を探すようになり，積極的に活動する姿が見られるようになった。また，職員も各利用者が「何ができるか」に注目し，利用者に応じた仕事を探す視点が得られた。