2017 Fiscal Year Research-status Report
医療情報データベースを用いた治療効果検証手法の開発:カルテ調査との比較を通して
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16K21697
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Research Institution | National Hospital Organization Headquarters |
Principal Investigator |
金沢 奈津子 独立行政法人国立病院機構本部(総合研究センター), 診療情報分析部, 一般研究員 (50762209)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 心臓リハビリテーション / レセプトデータ / DPC / 診療情報 / 心筋梗塞 / 再発予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、昨年度に引き続き、心筋梗塞患者に対する心臓リハビリテーション(以下、心リハ)の有効性について、国立病院機構(以下、NHO)本部が所有する診療情報データバンク(MIA:Medical Information Analysis databank)を用いた検証を進めた。 まず同データバンクから抽出した患者情報や入院記録、外来記録などを一元化し、解析用のデータセットを作成した。今回使用したデータベースは各NHO病院が作成する診療情報の集積であり、主にその入院記録を用いて心血管イベントの有無の調査を行った。データベースの特性上、対象患者が異なる医療機関にて心血管イベントを発生した場合は情報が拾えないという問題が発生する。そうした問題をクリアするため、対象患者を定期的な受診行動が認められる患者に限定するなど、検証の妥当性を確保するための工夫を行った。その上で、心リハ実施患者と非実施患者の基本情報の集計、および介入効果を検証するための生存時間分析を行った。 さらに、今年度はNHO病院へのカルテ調査も実施した。複数の施設に調査協力を要請し承諾を得た上で、現地における調査を行い、300例以上の情報収集を終えた。さらに、カルテ調査で得た情報を解析するためのデータセット作成にも取り掛かり、検証を進めるための準備も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、データベースから抽出したデータの解析するにあたり、検証の妥当性を担保するためにデータを精査し、綿密なデータクリーニングを行った。データクリーニングの作業に少々時間を要したが、予定していた各施設におけるカルテ調査を開始することができ、複数施設の調査が完了した。また、平成29年6月には、検証の途中結果を国際学会にて発表を行うなど、概ね計画通りに進行できていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、引き続きカルテ情報の調査を行い症例数の増加に務める予定とする。続いて、カルテ情報を加えたデータセットを作成し、医療情報データベースに含まれない詳細な臨床情報を加えた場合の心リハの有効性について解析を進める。さらに、それによって得られた結果をゴールドスタンダードとして、先に行った医療情報データベースの情報のみを用いて行った検証結果を比較し、当該データベースを用いた治療効果検証の妥当性評価を進めるとともに、より適切な解析方法の探索を目指す。
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Causes of Carryover |
(理由)妊娠により、学会参加や各施設における調査が困難となったため。 (使用計画)学会参加やカルテ調査のための旅費、会議費として使用する。
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