2017 Fiscal Year Research-status Report
高速自動解析手法を用いた巨大地震がメイオファウナ群集に与えた影響評価
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16K21698
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
北橋 倫 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 次世代海洋資源調査技術研究開発プロジェクトチーム, 特任研究員 (60713807)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生物多様性 / 生物群集 / 環境影響評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に確立したイメージング・フローサイトメーター(FlowCAM:Flow Cytometer and Microscope)を用いたメイオファウナの画像の取得法により、画像データの蓄積を行ない、目視により高次分類レベルで分類を行った。沖縄トラフで行われた科学掘削(人為的撹乱)による周辺メイオファウナ群集への影響を解析した結果、従来の顕微鏡下での解析方法と本手法でも同様の結果を示し、本手法でも十分に人工撹乱による環境改変の影響を検出できることを確認した。東北地方太平洋沖地震という自然撹乱によるメイオファウナへの影響も本手法で解明できると考えられる。 一方で、メイオファウナの画像データを取得するまでの時間は大幅に短縮されたものの、画像を取得した後の画像データの分類は目視で行っており、群集解析を行う上で、大幅な時間を占めている。解析に掛かる時間をさらに短縮するために、機械学習・深層学習を応用した画像の自動分類の実現を目指している。深層学習に必要な教師データを充実させる必要があり、FlowCAMを用いた手法で様々な環境のメイオファウナ画像を蓄積し、データベースの構築を進めている。 これまで地震直後からのサンプルの蓄積のある岩手県大槌沖において研究船「新青丸」による航海を行った。荒天のため大幅な予定変更を余儀なくされたが、これまでサンプリングしてきた測点の内、4測点で堆積物サンプルを採集することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年実施できなかった研究航海を実施することができたが、これまで蓄積してきたサンプルも含めて、サンプルの処理が進んでいない。一方で、画像取得後の画像解析について、その手法の習得、データベースの整備を行なった。3月に行われた日本生態学会に参加し、生態学の分野で用いられる深層学習を含めた画像解析技術について情報を収集し、本研究でも十分に実行可能であることを実感した。
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Strategy for Future Research Activity |
FlowCAMを用いてメイオファウナの画像データの収集を行う。機械学習による画像データの分類自動化の手法を確立し、データ取得から解析までの時間の短縮化を図り、地震後の三陸沖堆積物中のメイオファウナの回復・変遷過程を解析する。
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Causes of Carryover |
サンプルの処理が進まずデータ解析、論文執筆まで行えなかったため、次年度使用額が生じてしまった。次年度にサンプル処理を進め、論文投稿のための英文校閲や投稿料に使用する。
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Research Products
(1 results)