2016 Fiscal Year Research-status Report
大型板鰓類の生殖状態を反映した繁殖生理特性の理解とその応用
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16K21717
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Research Institution | Okinawa Churashima Foundation |
Principal Investigator |
野津 了 一般財団法人沖縄美ら島財団(総合研究センター), 総合研究センター 動物研究室, 研究員(移行) (70774397)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 大型板鰓類 / 飼育下繁殖 / 性ステロイドホルモン / ビテロジェニン / 超音波画像診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジンベエザメやマンタに代表される大型板鰓類の多くは国際的な保護対象種とされている。そのため、今後は保護計画の策定のみならず、飼育下における持続的な繁殖が重要になる。大型板鰓類は性成熟に時間を要し、また繁殖周期が複数年にまたがることもあるため、効率的な繁殖には、個体ごとに生殖状態を把握することが重要となる。そこで本研究では、非致死的で経時的に採取が可能な血液を利用することで、大型板鰓類の各生殖状態における繁殖生理特性を明らかにし、繁殖に適した個体の判別指標を確立することを目的とした。具体的には、板鰓類の血中のビテロジェニン量、性ステロイド量および卵胞サイズの関係から雌の生殖状態を反映する繁殖生理特性を明らかにし、繁殖適切個体の判別指標を確立することを目指す。 本年度は、飼育下における成熟した雌トラフザメの卵胞サイズの周年変化および産卵期、血中の性ステロイドホルモン量の周年変動を明らかにすることができた。これらの結果から血中の性ステロイドホルモンの変動が卵胞発達や繁殖期の予測指標となる可能性が示唆された。 加えて、公開されているジンベエザエ,ゾウギンザメのゲノム配列およびトラザメのビテロジェニンアミノ酸配列を参照し、各種ビテロジェニンの共通のアミノ酸配列部分14残基をターゲットとした抗体の作製を試みた。作製した抗体をトラザメ血漿を用いたウェスタンブロットによって評価したところ雌特異的に反応することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.トラフザメの卵胞サイズの周年変化および産卵期、血中の性ステロイドホルモン量の周年変動を明らかにすることができた。これらの結果から血中の性ステロイドホルモンの変動が卵胞発達や繁殖期の予測指標となる可能性を提示することができた。 2.血中のビテロジェニン量の半定量解析に使用するサメ類ビテロジェニン抗体を作製することができた。今後、作製した抗体の精製を行った後ウェスタンブロッティングにより血中ビテロジェニン量の半定量解析を実施する。 3.オオテンジクザメおよびイタチザメのサンプルを計画通り取得することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
ビテロジェニン抗体を用いたウェスタンブロッティングによるトラフザメの血中ビテロジェニン量の半定量解析を実施する。この半定量解析とこれまでに得られている結果を統合し生殖状態を反映した判別指標の確立に繋げる。 H28年度に計画通り採取することができたオオテンジクザメおよびイタチザメのサンプルの解析を着実に実施する。
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Causes of Carryover |
抗体作製に際し外部委託を行ったが、期間限定のキャンペーンが適用されたため、また、抗体の精製までを委託する予定であったが、精製キットを購入し自ら精製することでコストが安くなると判明したため、当初の予定金額を下回る金額で抗体作製が可能となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
抗体精製キットの購入に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)