2023 Fiscal Year Annual Research Report
Industrial Organization Analysis from a New Perspective: Focusing on "People"
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16K21741
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
森田 穂高 一橋大学, 経済研究所, 教授 (00791956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神林 龍 武蔵大学, 経済学部, 教授 (40326004)
都留 康 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (00155441)
石川 城太 学習院大学, 国際社会科学部, 教授 (80240761)
伊藤 秀史 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (80203165)
Tang Cheng・Tao 国際大学, 国際関係学研究科, 講師(移行) (00799330)
佐藤 進 一橋大学, 経済研究所, 講師 (40876710)
小谷 浩示 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (80422583)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 企業間競争 / 企業の理論 / 内部労働市場 / 人的資本 / 実験分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
産業組織論の主要テーマである企業間競争と企業の境界に関して、新たな視点から分析することが本研究の課題で ある。令和5年度は、それぞれのテーマに関して主要な成果となる論文を完成させ、国際的に評価の高い学術誌に投稿した。企業間競争については、森田(研究代表者)が佐藤(研究分担者)および研究協力者であるGhosh(UNSW)と共同で、製品市場と労働市場の相互連関を一般的なモデルを用いて行う分析を完成させた。企業の労働市場支配力に関しては、労働者が雇用者を変える際のコスト(スイッチングコスト)と労働者と雇用者の間の交渉力のそれぞれをパラメターとして比較静学分析を行い、企業の労働市場支配力が増加することが企業、労働者、消費者のそれぞれにいかなる影響を及ぼすかを分析し、競争政策の含意の総合的な議論を完成させた。製品市場競争と労働市場競争の相互連関のなかでは、企業の人的資本投資の増加が企業利益を増加させるとは限らず、減少させる場合もあることを示し、その違いが持つ競争政策上の意義を議論した点が画期的である。成果を取りまとめた論文をAmerican Economic Review誌に投稿した。また、企業の境界により規定される企業組織に関して、アイデンティティが企業組織において果たす役割について森田(研究代表者)が研究協力者であるServatka(Macquarie Univ.)およびZhang(Macquarie Univ.)と共同で、企業における従業員の昇進に関して行った二つの実験結果を取りまとめた論文を完成させ、Games and Economic Behavior 誌に投稿した。従業員が昇進した後の働くインセンティブ、さらには昇進できなかった従業員の働くインセンティブ、とアイデンティティの間の関係を分析して企業経営への含意に繋げた点で、画期的な研究論文となった。
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Research Products
(10 results)