2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of human relationship control method based on relative agency theory(Fostering Joint International Research)
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16KK0004
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
寺田 和憲 岐阜大学, 工学部, 准教授 (30345798)
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Project Period (FY) |
2017 – 2019
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Keywords | Agency / Emotion / Cooperation / Intention |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は相対エージェンシー理論に基づく人間関係制御手法を開発することである.エージェンシーとは行為主体性,意図性,生物性から感じられる「人らしさ」を総称する抽象概念である.相対エージェンシーとは,自己に対するエージェンシー認知と他者に対するエージェンシー認知を相対化することである.本研究を推進するために,米国南カリフォルニア大学ICT研究所に滞在して共同研究を行った.共同研究者との議論に基づき,2者間の関係の相対化を自己利益と他者利益の相対量によって行い,直接的キューである行動と間接的キューである情動表出によって関係が制御されるモデルに基づいて研究を行った.研究の結果,人が相手の行動から相手の意図を読み取っているだけでなく,表出された情動からも意図を読み取っていることが分かった.また,表情を入力として人が感情の逆評価によるベイズ意図推論を行っていることの妥当性を検証した.さらに,一般的に,人は機械に対してエージェンシーを感じず,その結果協力的な態度を取らない,すなわち非好意バイアスが存在することが知られているが,我々の研究によって,エージェントの振舞いに対して表情を付加することおよび民族性を付加することで,非好意バイアスが改善することが確認された.これらの結果は,人間関係を制御するためには個人の価値と相対的な価値を定量化し,それらに影響を与える外的要因を明確にし,定量化することが有効であることを示唆する.
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