2022 Fiscal Year Annual Research Report
Implementation of Microsimulation Technique in World Urban Model and its Applicability to Europe and Asia(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
16KK0013
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
紀伊 雅敦 香川大学, 創造工学部, 教授 (20426266)
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Project Period (FY) |
2017 – 2022
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Keywords | 土地利用交通モデル / マイクロシミュレーション / 持続可能都市 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,土地利用交通統合分析におけるマイクロシミュレーション技術の,世界都市モデル分析への活用可能性の検証を目的としている.ミュンヘン工科大学が開発する土地利用モデルであるSILOはオープンソースで開発されており,交通シミュレーションモデルMATSimと統合的に運用することで,実用レベルの土地利用交通マイクロシミュレーション分析が可能となる.特に,複数都心を有するメガシティでは,その都心の形成やODパターンは複雑であり,マイクロシミュレーションによる検証に意義がある. 本研究では,香川県を対象とした日本版マイクロシミュレーションモデルを開発した.モデルコードの改良などは開発元のミュンヘン工科大学と共同で実施し,併せて,途上国への適用可能性をチェンマイ大学と共同で検討した.香川県のモデル分析においては,その結果をミュンヘンの分析結果と比較し,我が国の人口減少都市においても,その推計結果を合理的に説明しうることを確認した.その研究成果は国際共著論文として掲載されている. 以上の成果は,申請者が研究分担を行うSATRTEPS事業において,バンコクの都市交通分析に活用されている.加えて,この成果は,香川県の公共交通将来需要予測業務にされており,交通政策実務においても活用されている.さらに,全世界を対象とした将来都市人口分布の推計についても並行して実施し,その成果についても国際学術誌に掲載された.これらの成果は本研究の最終目的である世界都市モデルの高度化の基礎となるものであり,都市計画と気候変動の融合分野の研究を推進する上で意義がある.
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