2019 Fiscal Year Annual Research Report
Building the analytical framework for maintaining the environmental conservation function of commons in developed countries(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
16KK0016
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
嶋田 大作 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (40527876)
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Project Period (FY) |
2017 – 2019
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Keywords | 先進国型コモンズ / 費用負担 / 制度 / 過少利用 / 市場 / 2次的自然 / 森林 / ノルウェー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、先進国型コモンズに特有のコモンズ問題を集約・抽出し、それらを分析するための理論的分析フレームワークの確立を行うことを目的としている。 Ostromらの研究では、コモンズにおける資源の過剰利用問題が前提となっており、集団内の囚人のジレンマ問題をどう解決するかというかという問題が主要な研究課題となってきた。その点においては、持続可能なコモンズの存立条件の提示など重要な成果があがっている。しかし、先進国型コモンズが抱える問題は、過剰利用問題を前提としたOstrom等の旧来型の分析フレームワーク(Ostrom 1990; Ostrom et. Al. 2002)では、解くことができず、新しい分析フレームワークの確立が必要となっている。 2018年3月15日に渡航し、2019年3月6日に帰国するまでの約一年間は、Norwegian University of Life SciencesのFaculty of Landscape and Societyに滞在し、Erling Brge教授、Havard Steinsholt教授らと共同調査を実施した。主に、bygdコモンズという形態のコモンズについて、Granコモンズ、Skjakコモンズでフィールド調査を実施し、農林業の機械化や貿易の自由化といったコモンズ外部での変化に対してコモンズがどのように対応してきたのかについての情報を収集した。 2019年度は、現地で得られた情報を整理し、いくつかのワークショップで研究報告を行った。さらに、ワークショップで得られたコメントを基に、今後の課題を明確にし、論文投稿に向けてとりまとめの作業を行った。
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