2017 Fiscal Year Research-status Report
ドイツの赤ちゃんポストと関連諸問題における出自を知る権利の扱いに関する研究(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
16KK0030
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
Tobias Bauer 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (30398185)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 出自を知る権利 / 赤ちゃんポスト / 生命倫理学 / 日独比較 / 内密出産 / 匿名出産 |
Outline of Annual Research Achievements |
交付申請書に記載した研究実施計画に基づき、渡航先であるドイツのミュンヘン大学医学部附属「医学の倫理・歴史・理論学研究所」において、所長のゲオルク・マルクマン教授の指導の元、ドイツの赤ちゃんポストと関連諸問題における出自を知る権利の扱いに関する国際共同研究を実施した。同研究所で定期的に開催されている、同研究所のスタッフおよび国内外の専門家が出席する医療倫理の研究コロキウムを通して、また、生命倫理学におけるメタ倫理および研究方法論に関する学術的対話集会への参加を通して、自分の研究テーマについて内容的にも方法論上にも極めて重要な手掛かりを得ることができた。また、学術面に加えて、ドイツ連邦家族省や妊娠相談所や病院の関係者を対象とした聞き取り調査も実施し、行政や医療と福祉の現場についての最新の情報も把握できた。 上記を通して滞在中に得られた研究成果は、国際学会発表等において紹介した。また、本研究期間中に、日本でもドイツの「内密出産制度」をモデルとした制度の導入を巡る議論がはじまったことを受け、日本の関係行政機関や基課題の研究分担者にもドイツの最新の状況についての情報を提供することができた。 なお、今回のプロジェクトの主な研究テーマであった赤ちゃんポストや匿名出産やその他の関連諸問題における出自を知る権利とはまた別に、受け入れ先であるミュンヘン大学医学部附属「医学の倫理・歴史・理論学研究所」で築いた連携を活かし、「医学の倫理・歴史・理論学研究所」が拠点的に力を入れているアドバンス・ケア・プランニングというテーマについても、今後共同研究を行う方向で検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究期間中に得られた研究成果の一部は既に国際学会等で発表できたが、研究成果の全体的なまとめは、本テーマの本質を考慮し、研究実施計画当初に考えていた国際誌への投稿による発表ではなく、学術図書という形をとる方が適していると判断し、平成30年度も引き続き原稿の準備を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果の全体的なまとめを学術図書として纏めるための準備を行う予定である。
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[Journal Article] 現在のドイツの状況2017
Author(s)
トビアス・バウアー
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Journal Title
熊本市要保護児童対策地域協議会こうのとりのゆりかご専門部会(「こうのとりのゆりかご」第4期検証報告書)
Volume: 第4期検証報告書
Pages: 8-9
Open Access
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