2017 Fiscal Year Research-status Report
アンジェラ・カーターの作品に見られる日本の影響とジェンダー・パフォーマティビティ(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
16KK0035
|
Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
生駒 夏美 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (60365525)
|
Project Period (FY) |
2016 – 2018
|
Keywords | アンジェラ・カーター / パフォーマティビティ / ジェンダー / フェミニズム / 比較文学 / 現代文学 / 文楽 / 刺青 |
Outline of Annual Research Achievements |
イギリスに渡航しイースト・アングリア大学での研究を開始した。Dr Stepen Bensonと協働し、アンジェラ・カーターの作品におけるジェンダー・パフォーマティビティ、特にその概念に及ぼした日本の影響を研究した。同大学での講演、授業のほか、大英図書館での講義も行い、研究成果の国際発表に努めた。 また2018年6月にDr Stephen Bensonと共同開催する国際学会に向けて、準備を行なった。同学会には世界中からこのテーマに興味を持つカーター研究者が集まる予定となっており、研究成果は書籍化する予定である。また、同学会において、イースト・アングリア大学図書館のアーカイヴとも連携して、アンジェラ・カーターと日本というテーマでの展示も行う予定で、そのキュレーションも担当している。 カーター研究において、日本と日本の文学や演劇作品の影響はまだ研究が進んでいない分野であるが、基盤研究の成果が今年度続々と刊行されたこともあって、注目が高まっている。特に基盤研究で出版した Seduced By Japan: A Memoir of the Days Spent with Angela Carter は、これまで知られていなかったカーターの日本での日々を明らかにする研究成果で、大きく注目され、BBC2の取材を受けた。 また、今後の研究にむけて、University of West EnglandのDr Charlotte Croftsとの協働も開始した。Angela Carterの作品とその消費における「日本」が持つ意味をさらに深く思考していくことを目指している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者と密にコンタクトを取り、順調に研究が進んでいる。また国際学会の準備も着実に進んでおり、発表者の選抜、依頼が終了している。学会開催の具体的なロジの手配や、展示のキュレーションも順調である。イースト・アングリア大学での大学院生を対象とした講演や、研究者対象の講演のほか、大英図書館では一般聴衆を対象とする授業も行なった。カーターの伝記作家のDr Edmund Gordonの講演も行い、撮影を行なった。また、基盤研究の成果が注目され、BBC2の取材を受けるなど、日本ではかなわなかった研究の発展を経験している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は6月に国際学会を開催する。世界中からこの分野に興味を持つ研究者が集まるので、アンジェラ・カーター研究における日本の存在意義を一層高めることができると見込まれる。学会ではアンジェラ・カーターと日本をテーマにした展示も開催し、それは学会終了後もイースト・アングリア大学で一定期間展示する。この学会の成果は書籍化したいと考えているので、今後はそれに向けて準備を進めていく。またDr Stephen、Dr Croftsらと共に、さらにカーター研究における日本の影響について研究を深めていく。8月には帰国の予定だが、その後も共同研究は続けて行う予定である。
|