2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Linkage between Scholarly Activities of 'Ashab al-Hadith' and Formation of the Sunnis (Fostering Joint International Research)
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16KK0043
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
森山 央朗 同志社大学, 神学部, 教授 (60707165)
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Project Period (FY) |
2017 – 2020
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Keywords | ハディース / ハディースの徒 / スンナ派 / 社会史 / 西アジア / ムスリム社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度から遂行してきた本研究は、基盤研究C(26370940)を基課題とした。基課題の目的は、スンナ派の形成・浸透の歴史過程を明らかにすることに向けて、10-13世紀の西アジアで「ハディースの徒」と称したハディース学者の知的実践を社会史的に解明することであった。本研究の目的は、基課題の総括を国際共同研究として行うことで、研究成果を国際的な水準に照らしてより高度なものとすることであった。この目的に向けて、平成30年度にワシントンDCとイスタンブルで在外研究を実施し、令和元年度は主に国内で研究事業を継続した。そして、「ハディースの徒」の知的実践と理論の相関関係の歴史的変容を考察し、社会や政治の様々な事柄をハディースによってスンナに結びつけようとする彼らの活動が、スンナ派の形成に大きな役割を果たしたことを明らかにした。 最終年度の令和2年度は、元年度に開催した国際研究集会などで得られた内外の研究者からの批評や知見を踏まえて、本研究及び基課題の研究成果をより精緻なものとしてとりまとめ、英文特集として、Annals of Japan Association for Middle East Studiesに投稿し、査読を経て掲載された。この特集は、研究代表者の論考に、本研究の主たる海外共同研究者であるブラウン教授Jonathan A.C. Brown(ジョージタウン大学)の論考、および2名のトルコの研究者の論考を加えた、計4篇の英文の論考によって構成されたものである。また、基課題の成果発信の一部として、令和元年度に日本語とアラビア語でウェブサイトを構築した。2年度は、そのウェブサイトにアラビア語での検索プログラムを実装し、「ハディースの徒」を名乗ったウラマーたちの経歴と著作に関するデータベースをアラビア語で公開した。このデータベースは、基課題と本研究をとおして構築したものである。
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Remarks |
上記URLは、基課題の研究成果公開の一環として、日本語とアラビア語で構築したウエブサイトである。本研究では、このウエブサイトに、「ハディースの徒」と自称したウラマーたちの経歴・著作を整理したアラビア語データベースを実装・公開した。
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