2022 Fiscal Year Annual Research Report
Youth's Identity Politics and Social Changes in Contemporary Bangladesh(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
16KK0045
|
Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
南出 和余 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (80456780)
|
Project Period (FY) |
2017 – 2022
|
Keywords | 若者研究 / バングラデシュ / アイデンティティポリティクス / 生活戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究は、バングラデシュの1990年代生まれの若者たちがもたらす社会変容を明らかにすることを目的に実施した。 本研究基課題であった若手研究(A)「バングラデシュ経済成長下における若者の『移動』と文化形成」(2015-2017年度)では、若者の農村から都市への空間移動と学歴形成や就労による社会階層移動について研究した。本研究ではこれを発展させ、農村と都市、エリート層とノンエリート層、男性と女性、ベンガルムスリムと少数民族など同年代を多層的に捉え、彼ら彼女らの生活戦略、社会運動、アイデンティティについて議論した。 2018年度に8ヶ月間バングラデシュのジャハンギルノゴル大学人類学部に客員研究員として所属し、同大学の文化人類学者たちと共同研究を実施した。2019年2月には同大学にて国際シンポジウムを開催した。この成果を学術出版するため、2019年度は現地での補足調査と原稿準備のための研究会を重ね、2022年3月にバングラデシュ学術出版社The University Press Limitedから"Millennial Generation in Bangladesh: Their Life Strategies, Movement, and Identity Politics"を刊行した。 2022年度は本書を各方面で発表して講評を得る機会を持った。5月にはオンラインで、8月にはバングラデシュで、12月には日本(国際開発学会全国大会)でブックトークの機会を持ち、各国の著名なバングラデシュ研究者をコメンテーターに迎えて講評を得た。 コロナ禍の停滞期はあったものの、国際共同研究を通じて国際的なネットワークが形成でき、英語の編著本を刊行できたのは、次に繋がる経験となった。本研究によってバングラデシュ研究に世代論を提示し、1990年代という特徴から社会変動を明らかにできた意義は大きい。
|