2018 Fiscal Year Annual Research Report
Is Quantitative Easing Ineffective? Investigating with DSGE Models and Japanese and US Data(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
16KK0060
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
岡野 衛士 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (20406713)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 量的緩和政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は超過準備が貸出を増加させるメカニズムを明らかにするため、GK (2011)に従い中央銀行と金融仲介機関が導入された動学的確率的一般均衡(Dynamic Stochastic General Equilibrium、DSGE)モデルを導出し、米国のデータを用いた実証分析を通じて量的緩和政策と質的緩和政策は効果の面から同等であること、ゼロ金利下の最適量的緩和政策ルールゼロ金利下で量的緩和政策が資産価格を下落させるショックに際して準備預金の増加を通じて金融仲介機関の自己資本を増強し、企業への貸付増加がマクロ経済を安定化させ厚生費用を縮小させることを明らかにした。シミュレーションに用いたモデルはGertler and Karadi (GK, 2011)のモデルに中央銀行の政策変数として民間向け貸出に加え準備預金が有効になるようCurdia and Woodford (CW, 2010)に従い中央銀行の詳細なバランスシートを導入したモデルである。モデルは定常状態周りで対数線形近似し、線形化したモデルは米国のデータを用いて推定された。GK (2011)と異なりGali (2008)およびBenigno and Woodford (2005)に従い効用関数の2次近似から得られる厚生費用関数を導出する。中央銀行は線形化されたモデルを制約として厚生費用関数を最小化するように金融政策を運営することを仮定する。政府は国債を発行し中央銀行の民間向け貸出あるいは超過準備をファイナンスする一方、徴税は一括移転を仮定する。名目利子率にはゼロ金利制約が課せられる。最後に米鈴井亭で得られたパラメータの下で最適政策のシミュレーションが行われた。
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