2019 Fiscal Year Annual Research Report
A theory of statistical inference for semiparametric econometric models(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
16KK0074
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
松下 幸敏 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (50593589)
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Project Period (FY) |
2017 – 2019
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Keywords | 経験尤度法 / セミパラメトリックモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
第一に、ネットワークデータのための統計的推測法を提案し、その理論的性質の導出と数値実験を行った。具体的には、random graphにおいて各個体が"edge"を形成する確率についてのJackknife Empirical Likelihood (JEL)による統計的推測法を提案し、ネットワーク全体で各個体の繋がる確率が十分高い(ネットワークがdenseの)場合にはカイ二乗近似による統計的推測が正当化されることを示した。また、各個体の繋がる確率が低い(ネットワークがsparseの)場合にはカイ二乗近似は保守的な推測をもたらすことを示し、そのような場合にも有用な(カイ二乗近似による推測が正当化される)修正JEL法を提案した。第二に、「生成された独立変数」を含むセミパラメトリックモデルの統計的推測法を提案した論文の改訂および再投稿を行った。この結果は、Econometric Theoryに掲載が決定した。第三に、モーメント条件モデルにおいて、従来の方法よりも漸近的に小さい相対的誤差を持つ統計的推測法を提案し、その理論的性質の導出と数値実験を行った。第四に、同時密度と周辺密度の密度比のノンパラメトリック推定法を提案し、それがいくつかのセミパラメトリックモデルの推定において有用であることを示した。例として、処置変数が連続である場合の処置効果の推定と統計的推測のための手法を提案し、その理論的性質の導出と数値実験を行った。 以上の研究は、London School of Economics (LSE)のOtsu氏らとの共同論文であり、LSEにて議論と論文の執筆を行った。
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