2016 Fiscal Year Research-status Report
所得格差の空間的要因分析の方法の開発とその可視化(国際共同研究強化)
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16KK0081
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
各務 和彦 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (00456005)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | GIS / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 所得分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究では,空間構造に注目し,所得格差の要因を分析する方法の開発及びその可視化を目的としている。所得分配の不平等は国レベルの問題であるだけでなく,地域レベルで考えることの重要性が増していると考えている。人口減少下での人口の東京一極集中によって,地域経済の疲弊と高齢化が進行している中で,国レベルの経済政策は地域差に対応することができず,国レベルの経済政策だけでは不十分であるだけではなく,むしろ対象としている経済問題を悪化させる危険性もある。従って空間的な要因分析は急務であると考えている。本年度は格差の要因分析の可視化に向けて,具体的なテーマと分析手法の打合せを行った。可視化に向けてはGISを用いて,地理的な可視化に向けて準備を進めており,これによって,政策立案に向けてのわかりやすさを重視し,問題の所在や対処策を明確にすることが期待される。 当初は,所得格差を主眼とした研究課題であったが,打合せを行っていくうちに,自然災害による格差の分析などにも関心が移り,より広いテーマでの研究が期待できるかもしれない。具体的には,今後,格差の要因分析をするに当たってのモデリングと分析を申請者が担当し,GISを用いた要因の可視化をPetra Staufer-Steinnocher准教授が担当することを確認した。実際には,共同研究を行う時間は少なく,まだ,具体的なところまでは詰められていない状況ではあるが,次年度に向けての準備という意味では,一定の進捗はあったと考えている。今後は,格差の要因分析に向けての計量経済モデリングが急務であり,申請者の役割が大きい。後半はPetra Staufer-Steinnocher准教授の担当となるが,日本の事象を取り扱うことを考えており,共同で研究を進めることになると予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まだGISによる分析までたどり着いていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは,格差の要因分析医向けての計量モデリングを進め,その結果を受けてPetra Staufer-Steinnocher准教授がGISにより可視化を担当する。日本の分析を行うため,必要があれば,日本から専門の研究者を招聘し,意見交換を行うことで,円滑な研究ができるようにする。
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