2020 Fiscal Year Annual Research Report
Formation of electron-positron plasma using a levitated dipole magnetic configuration and intense slow positron beam(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
16KK0094
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 晴彦 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (60415164)
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Project Period (FY) |
2017 – 2020
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Keywords | ダイポール磁場 / 反物質プラズマ / 陽電子 / 非中性プラズマ / ペアプラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,軸対称なダイポール磁場配位の優れた閉じ込め性能を活用して,磁場トラップによる低エネルギー陽電子の高密度化と電子との同時捕獲によるペアプラズマの生成を目指す実験研究である.大強度の低速陽電子ビームを入手可能なミュンヘン工科大学のNEPOMUC施設を活用した研究を行った.期間全体の成果として,反粒子の高密度閉じ込めに適したコンパクトなダイポール磁場装置において,高効率(ほぼ100%)の陽電子ビーム入射,比較的長時間(1秒以上)の安定閉じ込め,また電子との同時閉じ込めを実現した.さらに,ダイポール磁場中で高エネルギー陽電子の軌道がカオスとなることを示し,その効果を用いた高効率の入射方法を検証した.一方で,電子と陽電子双方がプラズマ状態を満たすだけの高密度状態の実現には至らなかったが,将来的にこれを実現するために必要な課題が明確となった. 2019年度,ペアプラズマや各種イオンの捕獲に適したダイポール磁場配位を生成する超伝導コイルの作成に関して,製作上の技術的課題が明らかになった.このため,2020年度まで研究期間を延長し,期間中にこれらの問題を解決した.含浸剤の熱伝導度を向上する窒化アルミフィラを用いた真空含浸処理をBi-2223超伝導コイルに適用し,これにより冷却時の温度特性が大きく改善し,要求される磁場生成が可能になった.また冷却昇温サイクルを繰り返した場合のクラック発生の抑制に成功した.複数のサンプル用コイルを用いた含浸処理と低温試験の後,フィラの最適な混合比と種別を選定し,磁場発生用コイル巻線の処理を行った.含浸剤の熱伝導度の大幅な向上によりコイル全体の均熱性が高まり,目標を超える15K以下までの冷却が実現された.これにより,直接冷却方式によるコンパクトなダイポール磁場配位の生成が可能となり,反粒子を含む各種プラズマへの適用性が拡大した.
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Research Products
(5 results)
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[Int'l Joint Research] ミュンヘン工科大学 (TUM)(ドイツ)2017
Year and Date
2017-04-18 – 2018-09-22
Country Name
GERMANY
Counterpart Institution
ミュンヘン工科大学 (TUM)
Co-investigator Overseas
Christoph Hugenschmidt
Department
Physics Department
Job Title
PD Dr. habil.
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[Journal Article] A new frontier in laboratory physics: magnetized electron?positron plasmas2020
Author(s)
M.R. Stoneking, T. Sunn Pedersen, P. Helander, H. Chen, U. Hergenhahn, E.V. Stenson, G. Fiksel, J. von der Linden, H. Saitoh, C.M. Surko, J.R. Danielson, C. Hugenschmidt, J. Horn-Stanja, A. Mishchenko, D. Kennedy, A. Deller, A. Card, S. Nissl, M. Singer, S. Koenig, L. Willingale, J. Peebles, M.R. Edwards, K. Chin
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Journal Title
Journal of Plasma Physics
Volume: 86
Pages: 155860601 1-26
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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