2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mathematical modeling of dynamics of incompatible domain structure in shape memory alloy(Fostering Joint International Research)
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16KK0122
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
稲邑 朋也 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (60361771)
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Project Period (FY) |
2017 – 2018
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Keywords | 形状記憶合金 / マルテンサイト / ドメイン組織 / 非線形弾性論 / べき乗則 / キンク変形 |
Outline of Annual Research Achievements |
形状記憶合金のマルテンサイト組織が示す「べき乗則」について実験結果の解析と理論的研究を行った.Ti-Nb-Al形状記憶合金ではマルテンサイトプレートの長さ(2次元断面)がベキ指数2.6の明確なpower lawを示すことが明らかになった.組織はほぼrank-1接続を満たすドメイン同士が結合して,結合種の異なる2種のコロニー,即ちtypeI双晶コロニーおよびtypeII双晶コロニーを形成していることがわかった.さらにそれらのコロニーが入れ子状に形成している.実験結果の数値解析および2次元モデルによるシミュレーションの結果,べき乗則の出現メカニズムはFragmentationによるものであることが分かった.しかし2次元モデルでのシミュレーションでは,べき指数2.6を説明することができず,三次元でのモデル化が必要であることも明らかとなった. また,形状記憶合金のマルテンサイト組織に関する理論を応用し,キンク変形の幾何学理論を構築した.キンク変形部と未変形部の界面,およびキンク部同士の界面が,形状記憶合金と同様にrank-1接続すると考えることで,実験結果を極めてよく説明できることが明らかになった.さらにキンク組織には必然的に回位が存在することも理論的に示された.キンク組織は形状記憶合金の示す組織と数学的に類似しており,本成果によって,形状記憶合金の組織においても,回位が重要な役割を担っていることが示唆された.
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