2018 Fiscal Year Annual Research Report
Correlation between the Interests of Religious Forces and the Formation of Medieval Cities in the North-East of the Iberian Peninsula: A Historical and Architectural Study(Fostering Joint International Research)
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16KK0135
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伊藤 喜彦 東海大学, 工学部, 准教授 (40727187)
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Project Period (FY) |
2017 – 2018
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Keywords | ロマネスク / ゴシック / 中世キリスト教建築 / 中世都市 / スペイン / カタルーニャ / ヨーロッパ |
Outline of Annual Research Achievements |
スペイン・カタルーニャ州の歴史都市ジローナを主たる対象とした本研究プロジェクトは、大聖堂の建設や聖職者による住区 開発といった行為を通して、宗教勢力が都市整備に果たした役割を解明することを目的として掲げた。2018年3月から9月にかけてジローナ大学のヘラルド・ボト教授との共同研究を実施し、主にジローナ旧市街に位置するサン・フェリウ聖堂を研究の中心的対象として、カタルーニャ中世建築史とジローナ都市史の両側面から先行研究を渉猟した。ボト教授とは定期的にミーティングを行い、進捗状況や問題点の現状などについてディスカッションを行った。また、こうした日常的な研究作業とは別に、いくつかのイベリア半島及び西欧各地の中世建築と都市に関連した学会やシンポジウムに参加し、意見交換を行った。また、イベリア半島北東部と旧オクシタニア地方の中世司教座都市を中心に、複数の歴史的都市で現地調査を行った。ジローナと比較する上で重要なものとしては、タラッサ、ビク、セウ・ドゥルジェイ、パルマ・デ・マヨルカ、テルエル、コルドバ、トゥールーズ、カルカソンヌ、エルヌ、アルル、フレジュ、エクス・アン・プロヴァンス等が挙げられる。こうしたジローナ内外での調査研究から、ジローナ旧市街の形成と宗教勢力との関連を理解するために、サン・フェリウ聖堂の建設フェーズを建築的特徴から分析することが肝要であるという結論に至った。特定の都市と建築を研究対象として絞り込めたことで、既刊の文献資料を揃え、未刊行の一次史料の所在についても確認できた。 本研究の成果の一部は講演や研究発表として発表されているが、最終成果は、共同研究者との共著論文として執筆準備中である。
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