2022 Fiscal Year Annual Research Report
Real-time tsunami forecast by IMS hydrophone triplets(Fostering Joint International Research)
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16KK0155
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
松本 浩幸 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震津波予測研究開発センター), 主任研究員 (80360759)
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Project Period (FY) |
2017 – 2022
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Keywords | CTBT国際監視制度 / 水中音波 / ハイドロフォン / 火山噴火 / 津波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本共同研究では、包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)国際監視制度局(IMS)の水中音波ユニットの専門家と共同で、火山噴火や津波に関連する水中音波のデータ解析と考察を進めた。 2022年1月に発生したトンガのHunga Tonga - Hunga Ha'apai火山の大規模噴火のときに、米国領Wake島に設置しているIMSのハイドロフォンアレイで観測した水中音波信号を解析した。データ解析の結果、火山噴火に先行して40分間にわたり連続的に水中音波を発生させる事象があったことを示唆した。また火山噴火にともなう津波はハイドロフォンでも検知され、遠地を伝播する津波の特徴である分散性をもつことが確認できた。本共同研究の目的のひとつは、IMSのハイドロフォンアレイで津波予測を高精度化することである。IMSのハイドロフォンアレイで津波を観測した事例は、これまで2011年東北地方太平洋沖地震、2016年チリ沖地震などいくつかあるが、IMSのハイドロフォンアレイが火山噴火にともなう津波検知にも貢献することを示す結果となった。 さらに本共同研究では、海域における火山噴火の検知についても考察した。2018年に活発化した硫黄島の火山活動の推移監視、2018年パプアニューギニアのKadovar火山の噴火と溶岩ドーム崩壊の時間の推定を行い、これらの研究成果はすでに国際学術誌で公表されている。 さらに本共同研究をきっかけとして、国内外でIMSデータの科学利用の推進を目指し、IMS局ならびに日本原子力研究開発機構と共同で日本地球惑星科学連合大会で、IMSの科学技術に関するセッションを立ち上げて継続的に運営してきた。国内外からの研究発表の申し込みと参加があり、CTBTの認知度の向上とIMSデータの科学利用の普及に貢献した。
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