2019 Fiscal Year Annual Research Report
Single-molecule analysis of DNA binding proteins using DNA array(Fostering Joint International Research)
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16KK0157
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鎌形 清人 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (90432492)
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Project Period (FY) |
2017 – 2019
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Keywords | DNA / DNA結合タンパク質 / 単分子計測 / スライディング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、開発したDNA整列固定法“DNAガーデン”と単分子蛍光顕微鏡を用いて、様々なDNA結合タンパク質の機能を解析した。特に、Reid C. Johnson教授(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)が研究してきた、DNA結合タンパク質を研究の対象とした。これまでに、DNAの形を制御するタンパク質(FisとHUとNhp6A)の単分子蛍光計測を行い、それらのタンパク質がDNA上をスライディング運動することを明らかにした。一方で、DNAの組み換えに関わるタンパク質Hinは、DNAに結合するが、DNA上をスライディングしなかった。さらに、DNA上にHUやFisなどを障害物として配置し、そこを蛍光色素修飾Nhp6Aがそれら障害物を回避しながら動くことを明らかとした。 本年度は、DNA結合タンパク質ごとにスライディング運動の速さが異なることに着目し、運動を制御する部位の同定を行った。まず、FisのDNA結合に関与するアミノ酸をアラニンに置換した変異体(4種類)を、大腸菌を用いて発現し、液体クロマトグラフィーにより精製した。次に、単分子蛍光顕微鏡を用いて、作成したFis変異体のスライディング運動を計測した。その結果、85番目のアルギニンを置換すると、スライディング運動が大幅に促進することが明らかとなった。一方で、他のアミノ酸変異は、スライディング運動に影響を与えなかった。以上より、Fisは、85番目のアルギニンを用いて、DNA配列を解読しながら、スライディングすることが分かった。 同様に、Nhp6Aの天然変性領域の欠損変異体とアミノ酸置換体を作製し、単分子計測を行った。天然変性領域欠損変異体では、スライディング運動が抑制されたことから、Nhp6Aの天然変性領域がDNAに絡みつき、Nhp6Aのスライディング運動を可能にしていることが分かった。
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