2022 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of salt stress response of the trans-Golgi network (TGN) in plants.(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
16KK0159
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
植村 知博 お茶の水女子大学, 理系女性教育開発共同機構, 准教授 (90415092)
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Project Period (FY) |
2017 – 2022
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Keywords | 塩ストレス応答 / TGN |
Outline of Annual Research Achievements |
植物は、外部環境の変化に対し、動いてその場から逃れることができないため、外部環境に対する「応答」を細胞・組織レベルでおこなうことで、植物個体が外部環境に対して頑強であることを維持している。トランンスゴルジ網(TGN)は、積荷タンパク質の選別を行う、ポストゴルジ膜交通の玄関にあたるオルガネラである。我々が単離したTGN機能が損なわれた変異体(syp4変異体)は高塩ストレス耐性が低下した変異体であるが、「TGN機能の欠失によってなぜ高塩ストレス耐性が低下するのか」については不明であった。また、本研究では、高塩ストレス環境において細胞内のオルガネラの動態が大きく変化すること知見をもとに、「オルガネラの動態・pH変化がどうのようにして植物に高塩耐性を付与しているか」についても明らかすることを目的とした。 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、現地での共同研究実施が困難となったため、オンラインを活用してディスカッションしながら研究を推進し、以下の研究成果を得ることができた。 1)Na+/H+対向輸送体(NHX5, NHX6)の塩ストレス応答時の細胞内局在を解析した。その結果、NHX5はTGNに主に局在すると報告されていたが,TGNよりもMVEによく局在することがわかった。NHX5と液胞輸送マーカーとの共局在の割合は顕著に高く,NHX5は主にMVEに局在し液胞輸送経路で機能していることが示唆された。 2)興味深いことに,塩ストレス処理により,TGNマーカーのドットと共局在するNHX5-GFPドットの割合が減り,反対に,塩ストレス処理によりMVEマーカーや液胞輸送マーカーのドットと共局在するNHX5ドットの割合が有意に増加した。これらの結果から、TGNやMVE,小胞など,液胞輸送を介して液胞以外の膜構造にNa+を貯めることが塩ストレス応答において重要であることが示唆された。
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Research Products
(17 results)