2018 Fiscal Year Annual Research Report
Protein binder screening for SorLA, a risk factor of Alzheimer's diesease, to identify novel targets for drug dicovery(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
16KK0163
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北郷 悠 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (60507185)
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Project Period (FY) |
2017 – 2018
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Keywords | アルツハイマー病 / 蛋白質分子 / 低分子化合物 / スクリーニング / 創薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,アルツハイマー病(AD)発症に対して保護的に働いている巨大受容体SorLAについて,その発現量を細胞レベルで増減させるような低分子化合物を探索することを計画した.その手段として,培養細胞にライブラリー化された多数の低分子化合物を直接投与し,その細胞内での目的蛋白質(本研究ではSorLA)の発現量をin-cell western法によって直接検出するという方法を取った.2017年11月末の渡航以前より,使用する抗体の選別と発現コンストラクトの準備を開始し,渡航してから継続してin-cell western法に使用する機器の使用法を習得,そして実験条件の最適化を行った.パイロット実験を経て,2018年5月から2018年11月末の帰国までに計8サイクル,約66,000種の低分子化合物に対してスクリーニング実験を行い,96種の候補化合物を得た.これらの化合物に関して,投与量に対する発現量の変動をin-cell western法によって観察するdose dependency testを実施し,最終的に10種の候補化合物に絞った.それらの候補化合物を培養細胞に再度投与し,SorLA発現量の変動を一般的なWestern Blotting法によって追試し始めたが,帰国前までにこれら10種のうちの1種は疑陽性であったこと,別の1種はあまりはっきりとした変化が確認できないことまでを確かめた.残りの8種のうちの入手可能だった6種について現在確認実験を行っている. 以上,渡航先の技術と設備を使うことで可能となったスクリーニング法により,目的蛋白質の発現量を細胞レベルで変化させるような低分子化合物の探索を行い,実際に候補化合物を選別することができた.これは当基金のサポートによって達成された成果であり,今後の検証実験結果とその公表が期待される.
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