2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms underlying a plant phase-change from facilitative to resistant responses against pathogens(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
16KK0167
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中原 健二 北海道大学, 農学研究院, 講師 (90315606)
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Project Period (FY) |
2017 – 2019
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Keywords | キュウリモザイクウイルス / 2b / カルモジュリン様タンパク質 / 葉緑体外包膜タンパク質 / 全身獲得抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、全身獲得抵抗性におけるタバコのrgs-CaMの多様な機能は、別々の機能を持つ複数のrgs-CaMパラログの機能・役割の総体として見えていたことを示し、rgs-CaMパラログそれぞれの機能・役割の背景となるメカニズムを明らかにすることが主な目的である。そのために全ゲノムシーケンスが完了し、それぞれパラログ遺伝子の変異体が入手もしくは作成可能なシロイヌナズナを用いて、2018年11月からカナダクイーンズ大学に滞在して、スネデン博士と共同で、研究を行った。昨年の報告でrgs-CaMのパラログと思われるシロイヌナズナのカルモジュリン様タンパク質(CML)が、CML37、CML38、CML39、CML40、CML41の5つが全て、rgs-CaMと同様にキュウリモザイクウイルスのRNAサイレンシング抑制タンパク質2bと結合することを明らかにした。その後の酵母ツーハイブリッドを用いた解析で、新たにCML43も2bに結合することが分かった。CML43は病原細菌シュードモナスに対する過敏感反応を介した防御に関わることが既にスネデン博士により明らかにされている。全身獲得抵抗性は過敏感反応により誘導されることは知られており興味深いCMLであり、このCML43に結合するシロイヌナズナの内生タンパク質を酵母ツーハイブリッド法によりスクリーニングした。その結果、葉緑体外包膜タンパク質と転写因子関連タンパク質が同定された。興味深いことに、これらCML43結合性の内生タンパク質は、rgs-CaMのパラログと思われる5つのCMLのうち、CML37、CML38、CML39およびCML40とも結合することが示唆された。従って、本研究でCML43とrgs-CaMパラログ、それらに結合性の内生因子およびキュウリモザイクウイルス2bタンパク質間の相互作用が全身獲得抵抗性のメカニズムとして重要な役割を果たしていることが考えられた。
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