2020 Fiscal Year Annual Research Report
Selected mRNA translation and ribosomopathies(Fostering Joint International Research)
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16KK0185
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
上地 珠代 宮崎大学, 医学部, 准教授 (10381104)
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Project Period (FY) |
2017 – 2020
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Keywords | snoRNA / RNA修飾 / リボソームRNA / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
リボソームは細胞内でタンパク質を合成する装置で、近年、その構成因子の変異が様々な疾患とリンクすることが強く示唆されている。すべての細胞に備わっているリボソームの異常がなぜ特定の疾患を引き起こすのか?私たちは、リボソームタンパク質やリボソームRNAの修飾が特定のmRNAの翻訳を調節する機構があると推測している。 snoRNA24遺伝子はrRNAの修飾をガイドするノンコーディングRNAで、肝細胞がん患者において発現が特異的に低下し、生存率との相関がみられた。細胞老化を誘導するために変異型Rasを繊維芽細胞で発現させるとsnoRNA24の発現は増加し、snoRNA24遺伝子を欠損させると細胞は老化を回避してコロニー形成能を上昇させた。このことはsnoRNA24のがん抑制遺伝子としての機能を示唆した。さらに、変異型Rasを発現するマウス肝細胞でゲノム編集によりsnoRNA24遺伝子に変異を導入し、マウスの肝臓に移植したところコントロール群(変異型Ras発現細胞を移植したマウス)と比較して急速にがんが進行し3週間で致死となった。この細胞ではrRNA修飾を欠損していること、リボソームのtRNA選択性が変化していることを確認し、mRNAの翻訳において異常が生じがんの悪性化を引き起こしたと考えた。 ゼブラフィッシュを用いた研究では、いくつかのリボソームタンパク質(RP)遺伝子ががん抑制遺伝子として機能することが示唆されている。そこで、ゼブラフィッシュにおいてゲノム編集によるRP遺伝子変異体およびp53遺伝子変異体を作製、さらに両者をかけ合わせた二重変異の個体も作製し、がんの発症に関与する翻訳異常を解析するモデルの作製を試みた。成魚での腫瘍形成を確認するには時間を要するため、発生初期胚を用いて、がん抑制遺伝子としての機能を迅速に解析できる系の構築も目指している。
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[Journal Article] The role of alternative mRNA splicing in heart development.2020
Author(s)
Bittel DC, Kibiryeva N, Kenmochi N, Patil P, Uechi T, Rongish B, Filla M, Marshall J, Artman M, Johnson R, O’BrienJr JE.
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Journal Title
Molecular Mechanism of Congenital Heart Disease and Pulmonary Hypertension
Volume: -
Pages: 399-351
DOI
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