2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of respiratory muscle activation and cardiopulmonary baroreflex on cardiovascular regulation during exercise(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
16KK0201
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片山 敬章 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (40343214)
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Project Period (FY) |
2017 – 2019
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Keywords | 血管運動神経活動 / 心肺圧受容器反射 / 動的運動 / 循環調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】動的運動時の呼吸筋活動の増加が,活動肢および非活動肢の血流量に及ぼす影響を明らかにすること〔共同研究:A.W.Sheel教授(ブリティッシュコロンビア大学)〕 【実施内容】動的な両膝伸展屈曲運動を2試行実施した.40%強度の運動中に随意的に換気量を増加させた:1つの試行のみ,吸気抵抗(最大吸気口腔内圧の40%)を負荷して呼吸筋活動の増加を促した.超音波診断装置を用いて,大腿動脈(活動肢)および上腕動脈(非活動肢)の血流量を測定した.平均血圧は運動により増加し,吸気抵抗負荷によりさらなる増加が見られた.大腿動脈血流量は,運動開始直後に増加し,その後は換気量増加や吸気抵抗負荷による変化は認められなかった.上腕動脈血流量は運動開始直後に減少し,その後換気量増加のみの施行では時間経過とともに増加したが,吸気抵抗負荷により血流量は再び減少した.これらの結果から,動的な大筋群の運動時の末梢循環調節に,呼吸筋由来の代謝受容器反射が関与することが示唆される. 【目的】運動時の循環調節に対する心肺圧受容器反射の役割を明らかにすること〔共同研究:P.J.Fadel教授(テキサス大学・アーリントン校)〕 【実施内容】軽強度での自転車エルゴメータ運動中の血管運動神経活動(筋交感神経活動)が低下することを確認した.これにより,筋ポンプ作用による心肺圧受容器反射を介した血管運動神経活動の抑制が確認された.この心肺圧受容器反射による抑制と骨格筋の代謝受容器反射の相互関係を明らかにするため,強度の異なる2つのハンドグリップ運動を行い,運動後阻血を行うことで筋代謝受容器反射を賦活させ,自転車エルゴメータ運動を実施し,筋交感神経活動への影響を観察した.その結果,筋ポンプ作用による心肺圧受容器反射を介した血管運動神経活動の抑制は,高強度の筋代謝受容器反射により減弱されることが明らかとなった.
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