2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の終末期の緩和できない苦痛と尊厳死・安楽死の希望に関する国際共同研究
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16KT0007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
恒藤 暁 京都大学, 医学研究科, 教授 (70372604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 達也 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床教授 (70513000)
木澤 義之 神戸大学, 医学部附属病院, 特命教授 (80289181)
山口 拓洋 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50313101)
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2019-03-31
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Keywords | 尊厳死 / 安楽死 / 希死念慮 / 鎮静 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、尊厳死・安楽死・鎮静を検討するうえでの基盤となる実証データを得るために、緩和できない苦痛の詳細を明らかにするものである。研究としては便宜上以下のように区分してすすめている。 研究1:日本の緩和ケア病棟20施設を対象としたコホート研究、研究2:日本の在宅施設10施設を対象としたコホート研究、研究3:韓国と台湾の緩和ケア病棟11施設・8施設を対象としたコホート研究、研究4:日本・オランダ・米国など国際的な医療者を対象とした質問紙調査、研究5:苦痛のあった患者に関する質的研究である。 2018年3月までに以下のことを行った。 研究1:1800名の患者婁登録を終了した。研究2:400名の患者登録を終了した。研究3:台湾と韓国のそれぞれで各300名の患者登録を終了した。研究4:研究組織をオランダの研究者を事務局として構築し質問紙案を作成した。対象者は看護師で実施予定であったが医師のサンプリングが可能。現在、オランダ、ベルギー、イタリア、UK、US、日本、シンガポールでの調査設計を行っている。研究5:研究1の半数の登録をデータベースとして、対象患者の同定を行っている。 多国での質問紙研究においてやや遅れが見られるが、それ以外は全体としては計画通りに進捗している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに予定していたコホート研究がおおむね予定通り終了した。日本1900名、台湾350名、韓国350名の患者登録があり、現在、フォローアップ(転帰確認)とデータベース構築を行っている。並行して、希死念慮・安楽死の要求のあった患者について、インタビュー調査をおこなうための倫理委員会への申請が終了し、患者の同定をすすめている。国際共同研究については、オランダ、UK、US、ベルギー、イタリア、シンガポール、日本の代表者とメールとスカイプで調査票の作成を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
コホート研究のデータベースを構築し、量的比較を行う。データベースから希死念慮・安楽死の要求のあった患者を同定したインタビューを実施する。国際研究についてはやや進捗が遅れているものの調査票を確定し、今年度中に調査を終了したい。
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Causes of Carryover |
(理由) 研究4の国際研究に関して研究組織の確定とロジスティクスが遅れたため国際研究のための研究費を持ち越した。 (使用計画) 昨年に2年契約を行った通りの後半の支出を計画する。オランダ・米国に関しては、効率化のため、すでに研究ネットワークをヨーロッパにもっている研究者との共同研究で行うことで了解を得たためRietjens JA, Ph.D.(Erasmus MC)に研究組織のコーディネーションと業務契約を昨年度正式にとりかわした。本年度はその2年目として研究を行う。
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