2019 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of anomalous diffusion phenomena by means of dynamical systems theory and scaling limits
Project/Area Number |
16KT0021
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 博樹 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (00467440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々田 槙子 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (00609042)
秋元 琢磨 東京理科大学, 理工学部物理学科, 准教授 (30454044)
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2020-03-31
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Keywords | 大偏差原理 / 可算マルコフシフト |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年5月にフランス・マルセイユのCIRMで行われた恒例の国際研究集会「Dynamics Beyond Uniform Hyperbolicity」に参加し、世界各国の力学系研究者と昼夜にわたって議論を行った。その直後、米国・ニューヨークのCounrant Instituteに滞在中の佐々田槙子氏(研究分担者)を訪れ、countable Markov chainの大偏差原理について共同研究を行った。弱い意味での大偏差原理の成立はすでに知られており、非コンパクト集合に対する上からの評価を導くための条件「指数的緊密性」がいつ成立するかが問題であった。集中的な議論の結果、この条件が成立するための推移行列に関する十分条件を得ることができたが、その後、これを含む結果がすでに知られていることが判明した。このため、この結果を論文として発表することはできなくなったが、countable Markov shiftとcountable Markov chainの違いを身をもって認識することができた点は有意義であり、今後の研究に大いに生きると思われる。 2019年9月にランダム力学系の専門家であるSandro Vaienti氏が慶應義塾大学を訪問した際に、国内の若手研究者数名を集めて小研究集会「Keio Dynamics Day」を開催し、ランダム力学系と拡散現象について議論を行った。
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