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2018 Fiscal Year Research-status Report

サーキュラー・マイグレーションの研究―EUの政策と帰還後の移民の調査・分析

Research Project

Project/Area Number 16KT0090
Research InstitutionChuo University

Principal Investigator

中坂 恵美子  中央大学, 文学部, 教授 (20284127)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 青木 利夫  広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40304365)
長坂 格  広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (60314449)
佐藤 以久子  桜美林大学, 法学・政治学系, 教授 (80365056)
岡部 みどり  上智大学, 法学部, 教授 (80453603)
片柳 真理  広島大学, 国際協力研究科, 教授 (80737677)
鈴木 一敏  上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (90550963)
Project Period (FY) 2016-07-19 – 2020-03-31
Keywords移民 / 難民 / 帰国 / フィリピン / スウェーデン / 日本
Outline of Annual Research Achievements

本年度も、文献調査、現地調査の両面から研究を進めた。文献調査に関しては、全体に関することとしてサーキュラー・マイグレーション全般に関する文献を引き続き読み進めた。サーキュラー・マイグレーションには決まった定義はなく著者によって使い方は異なること、そして、研究や調査の焦点に違いがあることなどを理解したうえで、本研究グループがこれまで各分担者でそれぞれに行ってきた調査結果をもとに、今後の研究のまとめ方について検討した。
現地調査として、新たにスウェーデン及びフィリピンでの海外調査を行った。スウェーデンでは、スウェーデン難民支援グループネットワークの副議長であるMichael Williams氏にアドバイスをいただき、Lund大学、PATIO Instituteなどで調査を行った。同国が2009年から循環移民政策を公的に表明しており、また同時に外国人に広く働く機会を与え職業訓練の機会も提供していることを知ることができ、今後この二つの政策の関連性をさらに調査する必要性が認識できた。フィリピンはイロコス・ノルテ州で、地方における、国外での長年の就労から引退し、出身地に戻って暮らす高齢者への聞き取り、および出身地域の諸活動への参与観察を実施した。調査先コミュニティで近年目立つようになってきた、イタリアで長期間就労したリターン・マイグラントに焦点を当てたもので、特にイタリアでの年金受領資格を取得した者たちの間では、イタリア滞在期間中の出身地社会との密接な関係維持を重要な背景として、出身地社会へのスムーズな再統合が進展している状況を把握することができ、関連文献で挙げられてきた諸事例との比較資料を得ることができた。国内調査としては、豊中市国際交流協会への聞き取りを行い、近年のニーズの動向や、出身国の文化や言葉に関する事業、高齢化した一人世帯の外国人女性に関する事業などをうかがった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初は2年間で各自の分担についての調査を終え、3年目は全体をまとめて成果の報告に力点を置く予定であったが、現状は遅れ気味となっている。理由としては、研究分担者と訪問先の都合が合わず、いくつかの調査が遅れてしまった。しかしながら、3年目が終わり当初予定していたすべての研究分担者及び研究協力者による現地調査が終了した。また、個別には、各人が論文等で成果を発表しているため、大幅な遅れということではない。そこで、あと1年で、研究を進めるうちに新たに出てきた調査課題(日本からベトナムなどへの帰還者の問題)への対応や全体のまとめの作業を行いその成果を発表することが適切と考え、期間を延長することとした。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、これまで各人が自分の担当領域で調査してきたことを総合して、本研究として一つの研究結果を示すことが課題である。本研究のグループとしてサーキュラー・マイグレーションのもつ側面の中で、帰国後の再統合という点に焦点を当てて再度各人が研究・分析を進め、その成果発表の場として国内外の学会でのパネル報告、個別報告を行えるように準備をする。また、2018年の末に、日本での出入国管理及び難民認定法の改正や国連の移民及び難民に関するグローバル・コンパクトの採択など、移民や難民に関する法政策面での大きな動きが国内外であったので、これらによってもたらされるであろう影響も追加して考察する。日本から出身国へ帰国した人々の問題についてもさらに調査を行いたい。

Causes of Carryover

次年度使用額として残された額は、主として研究成果報告のための旅費や学会参加費にあてるものである。本年中にはまだそこまで研究をまとめることができなかったため、来年度に執行したい。

  • Research Products

    (5 results)

All 2019 2018

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] スウェーデンにおける移民・難民の就労ー循環移民への挑戦2019

    • Author(s)
      佐藤以久子
    • Journal Title

      桜美林論考法・政治・社会

      Volume: 10 Pages: 41-59

  • [Journal Article] 難民等の受入れにおける負担および責任の分担―諸理論とEUの試み―2018

    • Author(s)
      中坂恵美子
    • Journal Title

      国際法外交雑誌

      Volume: 117-2 Pages: 105-163

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 難民をめぐる生政治とその転換―ドイツにおける難民庇護申請者 の「収容」と管理2018

    • Author(s)
      久保山亮
    • Journal Title

      難民研究ジャーナル

      Volume: 8 Pages: 18-37

  • [Presentation] The Social integration of refugees and migrants in Japan2019

    • Author(s)
      Emiko Nakasaka
    • Organizer
      International Human Rights Law Lectures by Japanese scholars and Experts
    • Invited
  • [Book] EU External Migration Policies in an Era of Global Mobilities2018

    • Author(s)
      岡部みどり
    • Total Pages
      399
    • Publisher
      Intersecting Policy Universes, Brill Nijhoff,

URL: 

Published: 2019-12-27  

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