2016 Fiscal Year Research-status Report
路側機と車載機の知能化と疎連携による高度交通システムの強化支援技術
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16KT0106
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 弘純 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (80314409)
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2020-03-31
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Keywords | 高度交通システム / 車載機 / 路側機 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究開発では,路側機と車載機の知能化と疎連携による高度交通システムの強化支援技術を開発する.路側機および車載機が広域空間的に面的かつ流動的に分布する状況で,まず路側機ならびに車載機が周辺の時空間的特性(事両の移動特性やチャネル利用率,故障状況など)を観測することで,コンパクトなモデルで観測状況を表現するためのスポット観測および学習技術を開発し,記憶容量や処理能力が限定されたハードウェアでも動作する軽量な観測データ処理技術を実現する.また,車載機の移動性を最大限に活用し,各機器のスポット学習結果である学習モデルを車載器が各路側機から集約し,集約したモデルを他の路側機にフィードバックする機構を構築する.これにより,各路側機がシステム全体の状況を自律分散的に把握可能とする技術を開発する.きらに,機器全体がどのような状態に遷移すべきかを自律的な判断で決定することで全体が準最適状態に移行できる適応的制御方式を開発する.今年度では,本研究開発の実現に不可欠な分散学習機能の基本機能実現に向け,深層学習の分散協調実行のスキームを実現するとともに,車載器と路側機の連携による情報流通システムの設計を行った.また,複合イベント処理の分散実行スキームを合わせて設計し,目標とする制御方式の要素技術を実現している.これらの成果はIEEEの著名な国際会議(DCOSS)等で発表するとともに,IEEEの国際会議SC2でBest Paper Awardを受賞するなど国際的な評価を受けている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,分散機械学習の概念に基づく学習モデルを構築することができており,高度交通システムにおける応用事例にも踏み込んでいる.IEEEの国際会議等での発表を重ねており,学術成果の創出も考慮しおおむね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
路側機の自律判定機能の精度をどの程度まで高められるかを十分に検証し,それに基づく分散学習・観測スキームを実現したいと考えている.局所的な学習結果を用いてどのように広域観測モデルを構築していくかなど多くの学術的課題が残されているため,以降はそういった課題解決に取り組んでいきたい.
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Causes of Carryover |
本年度はシミュレーションによる机上実装を主体とし,来年度以降はそれをプラットフォームとして実現していく計画である.本年度は既存のツールや設備を活用した結果,予算計画が予定より下回っているが,次年度以降の実装段階で予算活用を図っていく.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初申請の開発費用に加え,自律分散アルゴリズムの設計開発に必要な小型ノードの購入およびプロトタイプ開発費用等に充当する予定である.
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Research Products
(11 results)