2017 Fiscal Year Research-status Report
脳と心の健康の保持増進に最適な高齢期での睡眠習慣の解明
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16KT0118
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東郷 史治 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (90455486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 泰喜 日本大学, スポーツ科学部, 教授 (80436451)
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2019-03-31
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Keywords | 高齢者 / 睡眠 / 体内時計 / 認知機能 / 抑うつ |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者を対象とした質問紙調査を銚子市在住者を中心に引き続き実施した。質問紙調査での調査項目は、生年月日、性別、身長、体重、夜勤経験年数、要介護認定、飲酒習慣、喫煙習慣、身体活動(IPAQショートバージョン)、既往症、自覚症状(自覚症しらべ)、抑うつ(GDS)、手段的日常生活動作能力(IADL)、睡眠(不眠、PSQI)、日中の眠気(ESS)、健康関連QOL(SF36)、生活行動の朝型―夜型傾向(クロノタイプMEQ)、疲労(Chalder fatigue scale)など、習慣的な睡眠、身体活動・運動、生活習慣病や心身の健康を中心としたものであった。さらに認知機能調査、実態調査の対象者の選定を進めた。選定条件として、認知症、パーキンソン病、脳卒中、心筋梗塞、がん、精神疾患、アルコール依存、薬物依存、睡眠障害をこれまでに有していないこと、睡眠薬を服薬していないこと、とした。認知機能調査については、情報処理時間(フランカー課題、Trail Making Test A)、実行機能(フランカー課題、数唱逆章課題、Trail Making Test B)、記憶(聴覚性言語学習検査、数唱順唱課題)、全般性認知機能検査(Mini Mental State Examination)の測定方法として、WEBベースのプログラムを新規に作成し、複数の対象者で同時に、かつ日常生活下でも測定可能な手法について検討を進めた。モニタリング調査については、計測に使用する加速度センサーとその解析プログラムの妥当性の検証、アンドロイドOSデバイスに実装する質問紙調査用アプリケーションの動作調整を進めた。なお、韓国釜山市では質問紙調査を引き続き継続して実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の計画は、質問紙調査を引き続き継続することであった。これまでにそれぞれの調査を日本と韓国で進めた。来年度には、認知機能調査、モニタリング調査を実施するとともに、追跡調査、データ解析を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
認知機能調査、モニタリング調査、追跡調査を日本と韓国で実施するとともに、データ解析をする。データ解析として、睡眠の量、質、時間帯について、日々の変動を検討する。時系列データの解析には共分散構造解析、コサイナー法、マルチレベル回帰分析などを利用し、平日と休日での睡眠や体温の24時間リズムが、その後の眠気、疲労、気分、心臓自律神経調節機能、に及ぼす影響を気象条件も考慮に入れて調べる。アンケート調査のデータについては、共分散分析やロジスティック回帰などを用い、平日と休日の睡眠の習慣と抑うつのレベルや有無の変化、認知機能の変化などとの間の関連性・因果性について検討する。
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Causes of Carryover |
最終年度の計画がスムーズに実施できるよう、人件費・謝金、その他の支出をできるだけ抑えたため。次年度の使用計画では、消耗品物品費として約50万円、旅費として約20万円、人件費・謝金に約100万円、その他の費用として約80万円の支出を予定している。
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Research Products
(4 results)