2017 Fiscal Year Research-status Report
代数トポロジー的データ解析の地理学への応用に関する研究
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16KT0131
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
沼田 泰英 信州大学, 学術研究院理学系, 准教授 (00455685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武者 忠彦 信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (70432177)
田中 康平 信州大学, 学術研究院社会科学系, 助教 (70708362)
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2019-03-31
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Keywords | パーシステントホモロジー / GISデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては, GISデータの処理および得られたパーシステント図の比較のためのプログラムを改良し, 国土地理院が提供するGISデータの一部に対しパーシステント図の計算を行った. 本研究では, 地理情報を地域ごとに分割し, 地域間を比較することを目標としているが, その分割方法について検討を行った. 例えば, 地域の設定を中心部からのある半径の円の内部として設定した場合は, 数学的には取り扱い易いが, その地域設定はやや人工的である. 一方, 人口集中地域 (DID) などの情報を使って分割する場合は, 設定は自然であるものの, 領域が単連結でないなどの数学的に取り扱いにくい部分が出てくる. この状況は, MDシミュレーションによる材料科学へのパーシステントホモロジーの応用などの既存研究では起こらないが, 本研究では問題になり得ることが分かった. 本研究においては, 自然な地域分割を行う際に, 考える領域が単連結ではない場合に領域の基本群の情報がデータのパーシステントホモロジーに影響を与える可能性があることや, 考える領域の面積が一定でない場合に単純にパーシステント図の比較を行うのは不自然であるということについて, 議論を行った. また, 本研究に関連することが期待される周辺領域の研究者を招聘し, 数理経済談話会という形で講演を依頼した. 数理経済談話会は7回開催され, 微分幾何を専門とする研究者から, 統計を専門とする研究者まで, 様々な研究分野で活躍する研究者を招聘し, 自身の研究成果を講演してもらうとともに, 本研究で対象とする解析手法や地理情報への応用を視野に議論を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地域間の比較を行うことが本研究の目標の一つであるが, 地域の設定を数学的に扱いやすくまた地理学的に自然なものとする必要がある. MDシミュレーションの結果に対する応用を扱った既存研究では起こらなかった問題であり, その解決方法に対しまだ十分な成果が得られていない.
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Strategy for Future Research Activity |
現在進めているパーシステントホモロジーの数値計算を更に進める. 特に, まだ取り扱っていないデータセットについても解析を進める. 得られた計算データは,取りまとめ平成30年度末を目標に公開する. 地域の設定についての問題は, 様々な地域の設定により具体的なデータセットについて解析をし状況を確かめ, より良い方法を模索する.
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