2017 Fiscal Year Research-status Report
実用大規模コンポスト化施設の植物病害防除機能の強化と新規微生物農薬菌株の探索
Project/Area Number |
16KT0142
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 敬悦 東北大学, 農学研究科, 教授 (50312624)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英樹 東北大学, 農学研究科, 教授 (20197164)
矢部 修平 東北大学, 農学研究科, 准教授 (60564838)
|
Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2019-03-31
|
Keywords | コンポスト / 植物病害 / 生物農薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、植物病害防除能が強い菌叢の優先率制御を可能にする大規模コンポスター開発のための基盤技術確立と新奇の微生物農薬候補株の獲得を目的として平成28年度は実用大規模コンポスト化施設を用いて、投入原料配合別及び発酵ステージ別にイネ苗立枯細菌病及びイネ籾枯細菌病をターゲットとして病害抑制効果をポット栽培にて評価した。その結果、牛糞を主原料とした発酵後期の成熟コンポストにおいて両病害に対して再現性良く防除効果が認められた。他方、これらコンポストから分離した232株からは両病害菌に対して抗菌活性(in vitro)を示す株を見出す事はできなかった。 平成29年度は分離株の培養液及び菌体懸濁液をポット栽培の土壌に散布するスクリーニング法によりイネ籾枯細菌病に対する防除効果を調べた。その結果、40株中、6株に防除効果が認められ、特に顕著な効果を示した6株を16S rRNA遺伝子に基き同定した結果、Chryseobacterium属、Serratia属及びStenotrophomonas属である事が分かった。これらの属は多様な植物病害菌への防除作用が報告されている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、イネ籾枯細菌病に対して防除効果を示す細菌を6株見出すことに成功し、それらを系統分類して防除細菌を特定した。一方で当初の計画では病害防除細菌が生産する抗菌成分を特定する予定であったが、現時点ではin vitro試験において当該抗菌活性が認められなかったため、その成分の特定には至っていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の課題に取り組む。 ①選抜株の培養生理学的特性の解明、②防除メカニズム(抗生物質、溶菌、栄養競合、抵抗性誘導)の特定、③コンポスト化過程での当該菌種のミクロフローラ解析、④土壌及びコンポストへの定着性試験を実施し、バイオコントロール剤としての実用性やコンポスト製造における優占率制御による防除機能強化の可能性について検証する。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] Dictyobacter aurantiacus gen. nov., sp. nov., a member of the family Ktedonobacteraceae, isolated from soil, and emended description of the genus Thermosporothrix.2017
Author(s)
Yabe S., Y. Sakai, K. Abe, A. Yokota, A. Také, A. Matsumoto, A. Sugiharto4, D. Susilowati, M. Hamada, K. Nara, I.M. Sudiana, S. Otsuka
-
Journal Title
International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology
Volume: 67
Pages: 2615-2621
DOI
-
-
-
-
-