2019 Fiscal Year Research-status Report
紛争解決のための応報と修復の共同体ガバナンス:環境保護団体とイルカ漁の事例から
Project/Area Number |
16KT0156
|
Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
竹川 大介 北九州市立大学, 文学部, 教授 (10285455)
|
Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2021-03-31
|
Keywords | 捕鯨 / 葛藤解決 / 環境問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
和歌山県太地町において研究協力者ジェイ・アラバスタ氏とともに環境保護と生業狩猟の葛藤に関する研究会を開催(10/30-11/3 )。11月1日、太地漁協、反捕鯨活動家、警備の警察官などを取材。10時より太地町くじら博物館を視察。学芸員の桜井氏から、太地町と鯨漁・イルカ漁の概要についてレクチャーを受ける。午後、町長秘書の和田氏へ太地町を学術都市にする構想を中心にインタビュー。11月2日、朝4時半からイルカ漁に出港するいさな組合の船を見送り漁港周辺を調査。10時より沿岸捕鯨船を視察。午後から研究会。研究協力者の大津留香織、竹川大介、ジェイ・アラバスタ 発表者 11月3日、太地浦くじら祭を視察。イルカ漁船団に試乗。海の博物館「捕鯨文化」に関する特別展を視察した。 研究協力者の大津留香織が「関係修復の人類学」を出版し、応報的正義と修復的正義の視点から、人類学・社会学・法学・進化心理学の研究領域おける葛藤解決の先行研究をまとめ、バヌアツの事例に基づく関係修復の分析をおこなった。 2020年2月から3月にかけてのイルカ漁のシーズンをターゲットにソロモン諸島に最終調査をおこなう予定で航空便も確保していたが、新型コロナウイルスの蔓延により、調査は中止され科研終了を1年間延長した。 上記のフィールド調査に加え、捕鯨や大型動物の捕獲に関する、自然保護団体の対応について、インターネットやメディアでの取り扱われ方の分析を進め、紛争当事者以外の介入に関する文献研究を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの蔓延により予定していた最終調査がおこなえなかった。そのため最終年度を1年延長した。
|
Strategy for Future Research Activity |
海外研究者と協力して研究会を開催し、海外での環境保護団体とローカルとの紛争事例に関する研究報告書の執筆準備を進めている。また、延期となったソロモン諸島での聞き取り調査をおこない、研究課題のイルカ漁を巡る紛争に関する最新の状況を把握する。 可能であれば年度内に再度研究会を開催する。
|
Causes of Carryover |
ソロモン諸島国へのイルカ漁のシーズンに海外調査を予定していたが、新型コロナウイルスの蔓延により、入国ができなくなり研究期間を延長して、次年度に調査を持ち越すことにした。そのための旅費の保留分である。
|