2021 Fiscal Year Research-status Report
紛争解決のための応報と修復の共同体ガバナンス:環境保護団体とイルカ漁の事例から
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16KT0156
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
竹川 大介 北九州市立大学, 文学部, 教授 (10285455)
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2023-03-31
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Keywords | 捕鯨 / 葛藤解決 / 環境問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
ソロモン諸島における捕鯨に関連した事例をもとに、生態人類学は挑む6巻「たえる・きざす」に『「互恵」と「共感」にもとづく正義の実現-共同体ガバナンスと葛藤解決における普遍的道徳基盤のはたらき』として研究論文を執筆。本研究に関連する、これまでの成果について可能な範囲で論文をまとめた。現在、原稿の校正をおこない出版を待っている。 当該年度の主要な研究成果としては、前年に引き続き捕鯨や大型動物の捕獲に関する自然保護団体をめぐる現地との交渉などの事例の収集を進めた。あわせて地元住民とのトラブルの事例も収集した。またクラウドファンディングのような保護団体の資金集めに関する現状の調査もおこなった。フィールドでの調査は進まなかったが、調査地現地や研究協力者などとオンラインで研究会をおこない、それぞれのフィールドにおける事例の集約をおこなった。さらに自然保護団体について資金の流れなどを調査し、全体像を明らかにしたいと考えている。予定していたフィールド調査に関してはコロナ禍が収まらず行うことができなかった。 今後の研究の展開として新型コロナウイルスの状況をみながら最終的なフィールド調査を行いたいと考えている。現時点ではソロモン諸島に渡航できる状況になっていないが、フィジーやニュージーランドなどオセアニアの周辺諸国ではすでに渡航が可能になっており、研究の延長を申請し、2022年度中にソロモン諸島への渡航を準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フィールドにおける現在の状況の最終調査と報告書の作成をのこすのみで、おおむねのデーター収集は完了している。新型コロナウイルスの蔓延により最終調査がおこなえていないためのこの区分とした。これまでの研究成果はいったん論文にまとめ整理を終えている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの蔓延が継続し、現時点までソロモン諸島に渡航できる状況になっていない。フィジーやニュージーランドなどオセアニアの周辺諸国ではすでに渡航が可能になっており、研究の延長を申請し、2022年度中にソロモン諸島への渡航を準備している。 最終年度を延長し、インターネットなどを用いてさらなる自然保護団体の活動に関する事例収集を追加研究として付け加える。
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Causes of Carryover |
ソロモン諸島国へのイルカ漁のシーズンに海外調査を予定していたが、新型コロナウイルスの蔓延により、入国ができなくなり研究期間を延長している。そのた めの旅費の保留分である。
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Research Products
(3 results)