2016 Fiscal Year Research-status Report
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16KT0163
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 亮介 大阪大学, 産学連携本部, 特任講師 (70379147)
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2019-03-31
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Keywords | 赤外レーザー / 光受容タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光受容タンパク質を対象として、光反応サイクルを開始させるトリガー光に対してタイミング制御された高強度中赤外光を用いて、遷移状態における水素結合ネットワークを強く励振する。その結果として生じた反応収率の変化を計測・解析することで、遷移状態における水素結合ネットワークの役割を明らかにするとともに、中赤外光照射による遷移状態制御を実現する。 初年度は反応トリガー光、高強度中赤外光、広帯域プローブ光を組み込んだ高感度分光システムの構築を行った。さらに、温度制御システムを導入した。これにより、タイミング制御による中間状態トラップと、低温による中間状態トラップの両方を行う準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画として、光受容タンパク質の反応サイクルに対して、中赤外光のタイミング制御による中間状態トラップ、および温度制御による中間状態トラップの両方が行えるシステム構築を行うこととしていた。計画通り、その準備が整えることができたため、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに構築した分光システムを用いて、中赤外光のタイミング、波長、強度をパラメータとして、照射効果を検証する。照射する中赤外光は、1000-1750 cm-1の範囲で変化させながら測定を行う。さらに、温度制御による中間状態トラップと組み合わせることで、その効果の確証を図る。ターゲットとする中間状態は第1、2初期状態である。
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Causes of Carryover |
購入予定であった非線形光学結晶(高強度中赤外光発生用)の納期が遅れ、昨年度導入できなかったため。そのため、昨年度は既存の結晶を用いて分光システムを構築し、次年度に光学結晶を購入し、入れ替える予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度購入予定であった非線形光学結晶を本年度予定通り購入する。
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