2022 Fiscal Year Annual Research Report
Systematical analyses of the organ reconstruction in zebrafish
Project/Area Number |
16KT0176
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
矢野 十織 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10648091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 将仁 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (10408388)
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2023-03-31
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 器官再生 / 器官形成 / 形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請した研究計画のうち、他研究室の研究分担者と共同で行う電気生理学的解析(パッチクランプ法)は、計画の柱のひとつであり、初年度より研究分担者と実験・検討を続けていた。これは(1)研究代表者がはじめて行う実験系であること、(2)電気生理学的解析専門の研究分担者がはじめて扱う動物であること、(3)器官損傷時の細胞内現象を捉えること、などが研究遂行の困難性であると考えられ、すぐに結果が得られないチャレンジングな実験系だからである。新型コロナウイルス流行による研究活動制限を受けて、2度の研究実施期間延長を行い、最終年度に共同解析を再開できた。延長期間中に研究分担者は実験装置の増設を行い、研究環境を整備した。胚を用いた損傷器官(鰭・ひれ)の解析は細胞膜へのアプローチが困難であったため、巨大な神経細胞(Rohon-Beard cell)での電気生理学的解析(Ribera and Nusslein-Volhard, 1998)を行った。コントロール胚・タクロリムス処理胚・塩化ニッケル処理胚の3者間での電位測定比較を試みたが、年度終了時までに期待した結果を得ることができなかった。研究実施期間は終了だが、整備完了した実験環境を維持して、追加データの取得を行う予定である。
研究期間全体を通じて、上記の電気生理学的解析成果を統合するに至らなかったが、研究代表者が専門とする発生学・形態学的解析の成果として、鰭・頭蓋の骨格正常構造と損傷後の修復機構の一端について、evx1遺伝子の関連とあわせて期待される成果を得た。またABiS先端バイオイメージング支援プラットフォームの支援で、電子顕微鏡を用いた細胞レベルでの解析を統合し、専門外の観点からこれらを補完する成果が得られた。研究成果を発展させた研究課題が次期科研費として採択されており、独創的な研究領域の基盤づくりとして本課題遂行は成功したと考えている。
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Remarks |
研究成果の一部は下記研究会で口頭発表した。 矢野十織 「骨同士をつなぐ線維性連結と可動性」 日本解剖学会・若手研究者の会 2022年度春の学校(2023年3月17日)東北大学川内北キャンパス(宮城県)
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Research Products
(2 results)