2018 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
16KT0185
|
|---|
| Research Institution | Hiroshima Shudo University |
|---|
Principal Investigator |
張 南 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (20279061)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2020-03-31
|
| Keywords | Global flow of funds / Statistical framework / Data sources / Statistical matrix / Cross- Border financoing / Portfolio rebalancing |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の研究は、いままでの研究成果を踏まえ、試作したGFF統計を用いて日本、米国および中国を研究対象として、実証的研究を行う。主な研究内容は、以下の通りである。
1. 統計的フレームワークとデータソースを更に整備する。理論的枠組みをより厳密にするため、2017年度に使われたNet error and omissionという項目の代わりにAdjustment itemを使うことにする。また、データソースについて、国際銀行信用の規模をより精密に反映するために、2017年度で使われたBISによる国際銀行業統計（International Banking Statistics, IBS）の国際与信統計（International Consolidated Banking Statistics, CBS）の代わりに、国際資金取引統計（International Locational Banking Statistics, LBS）を使用している。
2. 再整備された統計的フレームワークに基づき、調整したデータソースを用いて、2016年末のGFFマトリックスを作成する。2018年度で完成した研究は、理論研究面だけではなく、実際の応用面でも展開している。開発された新しい統計と分析手法が政策当局に役立つようにするため、From whom to whom（W-t-W）というベースで、日米中の対外資金循環を分析対象として、日米中の「国家×国家」形式のGFFMを作成している。
3. Who-to-WhomベースのGFFMを用いて、GFFの資産側と負債側という二つの側面から日米中における対外的資金貸借関係を明らかにし、日米中におけるGFF構造関係と問題点を分析する。また、レオンチェフ逆行列を参考にして日米中の国際金融市場における位置づけと影響力を推定している。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
20数年間で続けていた研究テーマで、基本的概念と当該分野での沿革がある程度で既に知っており、最新の動きと問題点に力を絞って、関連の課題を新しい視点で厳密に展開していた。特に、IMF統計部の専門家との交流関係があり、国際学会で報告した場合、討論者の欧州中央銀行の専門家から貴重なコメントをもらったので、研究は比較的に順調だった。
まず、GFF統計の枠組みを厳密的に整備したうえで、CDIS、CPIS、LBS及びIIPなどのデータソースの整合性を調整し、データのギャップを縮小させた。また、整備されたデータを用いて、W-t-Wベースによる12か国と地域を含める国際資金循環のマトリックスを作成した。
|
| Strategy for Future Research Activity |
国際資金循環統計の整備と応用分析を展開していくために、データソースの整備、GFF統計のデータベースの構築、分析手法の開発及び関連の国際地域を分析の対象とする実証研究を更に進めていく予定で、特にFinancial Network Analysisiに関連する分析手法を取り入れる計画である。
|
| Causes of Carryover |
2019年8月にThe Society for Economic Measurement (SEM)'s 2019 Conferenceがドイツに開催される予定で、この学会で私はOrganizerとして、Invited Sessionを企画しています。今回の学会は欧州中央銀行との共催でそこで獲得できる新たな知見や研究成果を本研究に生かすことで、より研究成果を高めることができると想定されるためです。
|
