2018 Fiscal Year Research-status Report
IoTハードウェアを指向した安全性を強化するハイブリッド認証システムに関する研究
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16KT0188
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
吉川 雅弥 名城大学, 理工学部, 教授 (50373098)
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2020-03-31
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Keywords | セキュリティ / 認証システム |
Outline of Annual Research Achievements |
あらゆるデバイスがネットワークに接続されるInternet of Things (IoT) において,安全性を確保するためには,各デバイスにおいて適切な認証を行うことが重要である。一方で,IoTの基盤技術の1つであるウェアラブルなハードウェアに対しては,回路面積などの実装コストの制約から従来のパソコンを中心とするIT技術での認証システムを適用することは出来ない。さらに,これまでネットワークにおける認証で広く使用されている標準暗号は,計算量的にその安全性が保障されているが,本格的に研究が始まってきている回路動作時の消費電力や漏洩電磁波を利用して秘密情報を解析するサイドチャネル攻撃に対しては脆弱であることが,近年,指摘されている。そこで,申請研究では,IoTハードウェアを指向した認証システムを新たに開発する。この認証システムでは,物理的なアプローチと数学的なアプローチを組み合せて,様々なサイドチャネル攻撃耐性を向上させることで,安全性を強化する。 平成30年度は,平成29年度と同様に提案システムを構成する2つのシステム(セキュアコードシステムと認証IDシステム)について,いくつかの要素技術を開発して,シミュレーション実験や実装実験により,その有効性を検証した。また,当初の予定にはなかったが,研究を進めていく過程で,新たに明らかになったいくつかの技術的課題(乱数と実装コストの耐タンパ性の関係など)についても,定量的に詳細な検討を行った。さらに,いくつかの評価実験を通して,新たな研究課題の抽出や整理も行った。 平成30年度の研究成果についても,関連する国際会議で発表すると共に,情報収集や情報交換を行った。また,研究成果の一部については,関連する学会の学術論文誌でも発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は,セキュアコードシステムにおいて多重経路とレスポンス生成ブロックを組み込んだPUFの試作・実装評価を行い階層型PUFを完成予定であったが,これを完成させることが出来なかった。一方で,プロファイリング進化的補正処理については,計画どおり,遺伝オペレータの基本検討を行うとともに,遺伝子表現についても基本的な検討を行うことができた。 認証IDシステムにおいて,耐タンパアーキテクチャで必要になる可変周波数リングオシレータを開発予定であったが実施することが出来なかったが,可変周波数リングオシレータで使用する乱数について,耐タンパ性との関係を実装コストの観点から明らかにした。 さらに,当初の研究計画には無かった低消費電力指向のセキュアモジュールについて,耐タイパ性を定量的に評価することができ,認証IDシステムでの消費電力からの観点の基本検討を行うことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2019年度は,2018年度に実施予定だった階層型PUFの開発などを行い,当初の計画どおりに,提案システムを開発する。また,シミュレーション実験を通して,システムの完成度を高めて行く予定である。さらに,提案システムの実装評価を通して,新たな研究課題の抽出や整理を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では,サブシステムの試作と評価を予定していたが,この試作を行わなかったため,関連する予算を2019年度に繰り越した。
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Research Products
(4 results)