2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidate latent rules in disruption of biological system
Project/Area Number |
16KT0196
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川上 英良 国立研究開発法人理化学研究所, 科技ハブ産連本部, ユニットリーダー (30725338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中岡 慎治 東京大学, 生産技術研究所, 派遣研究員 (30512040) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2019-03-31
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Keywords | 多階層ネットワーク / 制御ネットワーク / 状態遷移モデル / 時系列解析 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
疾病発症の予測モデルとしてのネットワークに基づく状態遷移理論構築の基盤として、1.遺伝子制御ネットワークの 拡張、2.実際の細胞内プロセスに立脚したタンパク質相互作用ネットワークの構築、3.不均一で散発的な時系列データ解析の枠組みの整備、を行った。 【遺伝子制御ネットワーク】7000以上の世界中のヒト・マウスのChIP-seqのデータを再解析することで、従来考慮されて来なかった制御の強度を反映し、ヒトとマウス両方に対応した遺伝子制御ネットワークを構築した。また、実際の実験データに適用することで、様々な生命現象の遷移過程を明らかにした。 【タンパク質相互作用ネットワーク】タンパク質の細胞内局在情報をUniProtデータベースから取り入れ、さらに機械学習を用いて既 知の情報から相互作用の種類や方向を考慮したタンパク質相互作用ネットワークを構築した。 【時系列データ解析】医学・生物学で見られる、散発的で不均一な時系列データに対して、物理学のイジングモデルを応用し多項目測定データに基づいて状態を表現する手法(エネルギーランドスケープ解析)を用いて患者の状態の層別化と未来予測アルゴリズムの構築を行った。機械学習を導入することで卵巣腫瘍に関して術前の血液検査データに基づく予後予測アルゴリズムの構築も行った。 本研究によって、医学・生物学研究で得られる様々な実験データ・臨床データに基づいて、疾患の状態を表現し、時系列予測を行う基盤が構築できたと考えられる。今後は、健康診断データなど、疾病発症前のデータを対象とすることで、未病の状態、疾病予備軍の状態を発見し、疾病の発症を予見・予防する研究を展開して行きたいと考えている。
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