2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17002004
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 治彦 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (50004370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 宏一 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (10219496)
阿部 聡 金沢大学・自然科学研究科 (60251914)
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Keywords | 量子臨界現象 / 熱膨張係数 / 核磁性 / エアロジェル / 超流動 / 重い電子系 |
Research Abstract |
1)CeRu_2Si_2の熱膨張係数を0.016 mt、0.39 mT,0.51 mT,0.94 mTの磁場中で約1mKから10 mKまでキャパシタンス法で測定した。熱膨張係数は比熱とグリュナイゼン定数および等温圧縮率の積で表される。CeRu_2Si_2は0.01 6 mTでは150μKまで帯磁率の温度変化はただ上昇しているが、0.39mT,0.51mT,0.94mTと磁場を大きくして行くと帯磁率にピークをつくり、そのピーク温度は磁場とともに高温になっていく。この帯磁率のピークが磁気転移に対応しているとすると比熱に異常が現れるはずであり、従って熱膨張係数の温度変化にも大きな異常が表れるはずであり、我々の測定でも観測できるはずである。しかし今回の我々の測定で測定精度の範囲で何も異常が観察されなかった。従って磁場中帯磁率の温度変化のピークは磁気転移ではないと結論づけられる。また熱膨張の温度変化は40mK以上ではフェルミ液体論で気体されるT^2に比例するがより低温ではこのラインから上の方にずれてくる。これは他のグループが観測している非フェルミ液体になるためにずれてくる方向と逆である。このことは我々の超低温測定が量子ゆらぎの本質を観測しているのではないかと考えている。 2)濃縮^<195>Pt金属の核磁性の研究のために我々は適正な試料を求めている。我々は細線、薄膜、微粒子の3種類の形状の異なる97%濃縮試料および80%濃縮の細線試料および33.7%の細線および微粒子の試料の帯磁率の温度変化を2Kから300Kまで測定した。その結果形状に依存した帯磁率の温度変化が観測された。また非常に興味のあるのはこの形状依存性の帯磁率がまた核スピン濃度にも依存していることである。さらに7mKまでの帯磁率測定を行い帯磁率が97%では60mKで、33.6%では20mKにピークを作り、また磁場によってこのピークが抑制されることを見いだした。また試料作製時のストレスなどの影響を調べる為にwire試料をカーク溶解したものおよび超高真空アニールしたものの帯磁率測定を行ったが全く変化が無かった。この形状依存性帯磁率を微粒子の表面には特定の結晶面が現れること、また表面では電子の状態密度が大きくなっていることなどからの説明を試みている。結果として当初の目的には粉末試料を我々自身で加工しているのが良いと結論づけられる。 3)エアロジェル中の液体^3Heの超音波に依る研究用のセルを設計し制作した。現在これを核断熱消磁冷却装置につけてテストする予定である。
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Research Products
(6 results)