2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17002004
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 治彦 Kanazawa University, 自然科学研究科, 教授 (50004370)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 宏一 金沢大学, 自然科学研究科, 准教授 (10219496)
阿部 聡 金沢大学, 自然科学研究科, 講師 (60251914)
|
Keywords | 量子臨界現象 / 量子相転多 / 超流動^3He / 核磁性 / 強相関電子系 |
Research Abstract |
(1)CeRu_2Si_2系 熱膨張係数を磁場中で測定した。50mKより高温ではFermi液体で与えられるT^2依存性を示し低温ではこれからずれてくる。ずれの始まる温度は磁場に依存する。この結果Fermi-非Fermi液体転移の磁場依存性の相図が描かれた。さらに帯磁率測定で示されたより低温、低磁場における非Fermi-Fermi転移の観測も試みたが低温では充分な感度が得られなかった。そこで磁歪の測定から求める事とした。予備実験において約50mK以上では磁歪は温度に依存しないが低温では磁歪が増大する。これは非Fermi液体的振る舞いになる事を意味する。さらに低温では磁場の大きな所で再度温度変化がなくなる、即ち非Fermi-Fermi転移が見られる。この測定を押し進めると量子臨界点近傍の相図が描ける。Ce (Ru_<1-x>Rh_x)_2Si_2系:1Kまでの測定で磁気転移が起らないとされていたx=0.03の試料を0.5mKまで帯磁率を測定した。0.3KあたりにSDW転移と思われる帯磁率の緩やかなピークを観測した。 (2)エアロジェル中の超流動3He 空孔率97%のエアロジェル中の超流動3Heを超音波測定で観測した。圧力は1.6,3.2,3.37MPaで行った。その結果、1.6MPaでは430μKまで超流動にならず、3.2MPaでは約1.10mKで3.37MPでは1.23mKで超流動転移を観測した。さらにA相-B相の転移も観測した。今後さらに圧力を変えて測定し量子臨界点を正確に求める。 (3)195Ptの核磁性 濃縮195Ptのwireの試料、97.3%,80%,33.8%が核濃度に比例する大きな帯磁率を示したのでこの原因を追及していた。その結果表面の電子状態と核スピンが結合したものとしてほぼ説明できることが分かった。その結果を踏まえて、核断熱消磁冷却装置を設計し、装置の製作中である。
|