2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17002004
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 治彦 Kanazawa University, 数物科学系, 教授 (50004370)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 宏一 金沢大学, 数物科学系, 准教授 (10219496)
阿部 聡 金沢大学, 数物科学系, 講師 (60251914)
|
Keywords | 量子相転移 / 量子臨界現象 / 強相電子系 / 超流動3He / 核磁性 / 量子ゆらぎ |
Research Abstract |
1) 重い電子系CeRu2Si2 ; 熱膨張および磁歪を1mK以下から100mKまで測定した。その結果数十mK以上の高温ではLandau Fermi液体模型(LFL)で示される温度変化(熱膨張∝Tの2乗)および磁場変化(磁歪∝Bの2乗)を示し、それ以下温度ではLFLからのずれが観測された(量子臨界現象. 非Fermi Liquid)。この熱膨張の非Fermi Liquidの部分は負の熱膨張を示し、理論に寄ればCeRu2Si2の高圧側に量子臨界点が存在することを示している。これはCeをLa等で置換した系(格子定数が増大、即ち負の圧力)で観測されている保の圧力で磁気的臨界点の存在と合わない。我々が予測した高圧側の量子臨界点は新しいものである。今後圧力下の実験などで確認したい。(Phys. Rev. Letters 101(2008)256402に発表) 2) エアロジェルの3He ; 空孔率97のエアロジェル中に液体3Heを入れ0.4mKまで冷却して超音波を用いて研究した。超流動転移点において音速の上昇を、超流動A相、B相の転移点で超音波吸収の低下を観測した。この結果から超流動転移点の量子臨界点は2.3-2.4MPの圧力に存在することが分かった。またAB転移点が超流動転移点とほぼ平行に変化しているのが観測されたのでAB転移点も量子臨界点を持つ可能性が出てきた。(J. Phsics, Conf. Series (LT25)150 (2009) 032114に発表 3) Enriched 195Ptの核磁気秩序の実現に向けて二段核断熱消磁冷却装置を作った。また試料として購入したEnrichした195Ptが低温で異常な帯磁率の温度変化を示していたのでこの原因を追及した。その結果これは購入したwire状の試料に多く含まれる鉄不純物の影響であることが判明した. それで実験試料として用いるものは粉末で購入したものを我々が細いロッドとして成形し用いることとした。(J.Low Temp. Phys., 155(2009) 114-126に発表)
|
Research Products
(18 results)