2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17002004
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 治彦 Kanazawa University, 数物科学系, 教授 (50004370)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 宏一 金沢大学, 数物科学系, 准教授 (10219496)
阿部 聡 金沢大学, 数物科学系, 講師 (60251914)
辻井 宏之 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (10392036)
|
Keywords | 量子臨界現象 / 量子ゆらぎ / 重い電子系 / 超流動3He / エアロジェル / 核磁性 |
Research Abstract |
研究目的の通り3つのサブプロジェクトに分けて述べる。 1、重い電子系CeRu2Si2の量子臨界現象の研究。我々は既にPhys. Rev. B. 67 (2003) 180407に報告している170μKまでの帯磁率の温度変化、即ちゼロ磁場では帯磁率は発散し、小さな磁場で帯磁率はピークを作りピークの高さおよびピーク温度は磁場に依存するという現象を理解する為に~μK温度領域の熱膨張及び磁歪の測定を行なった。その結果帯磁率のピークは相転移ではない事が判明。帯磁率のピークは熱ゆらぎが効いている領域から量子ゆらぎのみの領域へのクロスオーバーとして理解出来る。また観測した負の熱膨張から試料に圧力を掛ける領域に量子相転移点(QCP)が存在する事が予測された(PRL発表済み)。これはCeをLa等で置換した時(即ち負の圧力側)に現れる磁気的QCPとは矛盾し我々はこれをNew QCPと呼んでいる。さらにRuを3%のRhで置換した系において帯磁率のピークがより強い磁場で、より高い温度で現れる事を観測した。これはRh3%置換によりよりQCPに近くなりゆらぎの強さが大きくなるとして理解出来る(論文作成中)。 2、エアロジェル中の超流動3Heの量子臨界現象。我々は空孔率97%のエアロジェル中における超流動3Heの量子臨界現象を超音波の測定で調べた。これまでなされている空孔率98%より不純物が多い事に対応し超流動のQCPを実現する圧力は高くなり約2.5MPaと求まった。さらに超流動A相からB相への転移点A-B転移もQCPを示しこちらは約2.8MPaと推定された。このA-B転移のQCPは我々の測定が初めての観測であり、今後このQCP近傍の研究が盛んになるものと思う。 3、195Pt金属を用いた核磁性による量子臨界現象の研究。残念ながらまだ核スピン・オーダーには達していないが母体のPtのFe不純物効果など基本的研究は出来た。
|