2006 Fiscal Year Annual Research Report
水素-表面反応基礎過程;スピン効果、反応ダイナミックス、及び星間水素分子の起源
Project/Area Number |
17002011
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
並木 章 九州工業大学, 工学部, 教授 (40126941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 亮 九州工業大学, 工学部, 助教授 (30223043)
稲永 征司 九州工業大学, 工学部, 助手 (30093959)
鶴巻 浩 九州工業大学, 工学部, 助手 (20315162)
山内 貴志 九州工業大学, 工学部, 助手 (70419620)
成田 克 九州工業大学, 工学部, 博士研究員 (30396543)
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Keywords | 水素原子 / スピン効果 / 反応ダイナミクス / 水素分子生成 / 氷表面 |
Research Abstract |
本研究の課題は、(1)吸着水素引き抜き反応ダイナミックス、(2)星間水素分子の起源、(3)水素吸着反応のスピン効果である。18年度は計画の2年目にあたり、3つの課題を実施する実験装置の立ち上げと性能を調べた。 (1)脱離ダイナミックス装置:昨年度完成させた装置で表面脱離分子の測定を飛行距離60cmで行った。反応チャンバーより漏れ出るD2ガス分子の飛行時間分布を測定した結果、300Kのマックスウエル速度分布でフィット出来、TOF措置は正常に働いていることが確認できた。しかし、引き抜き脱離分子の収量が小さく、そのTOF測定は失敗した。飛行距離を30cmに縮めたTOF測定システムを構築することにした。 (2)星間水素分子装置:表面反射赤外吸収分光装置、四重極質量分析計、液体ヘリウムクライオスタット、マイクロ波プラズマ発生装置、スパッターガン、オージェ装置、及び排気ポンプにて複合型水素-表面反応システムを製作した。それらが正常に作動することを確認した。低温Ru(0001)表面に吸着したD原子のHによる引き抜き反応を調べ、2次のキネテクスに従う脱離反応を認めた。 (3)スピン効果装置:マイクロ波水素プラズマからの水素ビームを六重極電磁石に接続し、透過H原子をQMSで測定できるようにした。六重極電磁石励磁電流の関数として透過H原子強度を測定した。その結果、励磁電流とともに減衰するH強度を確認できた。これは、スピン偏極H原子が発生していることを示している。これを直接確認するためにStern-Gerlach磁石を購入し、それをマウントするチャンバーシステムを設計製作した。 (4)水素原子による酸化Ru表面の還元反応で水が生成されることを直接確認した。また、D吸着si(100)表面にO原子を照射するとD2及びD_2Oが生成されることを直接確認出来た。
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Research Products
(3 results)