2007 Fiscal Year Annual Research Report
水素-表面反応基礎過程;スピン効果、反応ダイナミックス、及び星間水素分子の起源
Project/Area Number |
17002011
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
並木 章 Kyushu Institute of Technology, 工学部, 教授 (40126941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 亮 九州工業大学, 工学部, 准教授 (30223043)
稲永 征司 九州工業大学, 工学部, 助教 (30093959)
鶴巻 浩 九州工業大学, 工学部, 助教 (20315162)
山内 貴志 九州工業大学, 工学部, 助教 (70419620)
成田 克 山形大学, 理工学研究科, 助教 (30396543)
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Keywords | 水素原子 / スピン効果 / 反応ダイナミックス / 水素分子生成 / 氷表面 |
Research Abstract |
本研究の目的は水素と表面の反応過程を基礎的に明らかにすることであり、その為に3つの具体的な反応系を設定し、装置の立ち上げと実験を行っている。これまでの成果は以下のとおりである。 (1)水素吸着のスピン効果を調べるために水素プラズマより解離水素原子を発生し、それを六重極電磁石に通すことでupスピン原子のみを収束させる装置を完成した。電磁石により超高真空下にて極低温Si(III)表面を磁化し、水素吸着確率をレーザ倍波発生(SHG)法にて測定するシステムを立ち上げた。これから、表面反応分析システムとスピン偏極水素源を接続する。最終測定までは到達できていないが、このような実験装置の建設は世界的にも全く行われていないものであり、その意義は大きい。 (2)極低温水氷薄膜を形成し、その表面にて水素原子の吸着と水素分子の形成をし、その後分子脱離する過程を系統的に明らかにする。8KでのD_2Oアモルファス氷薄膜表面にD原子を一定量照射し、その後H原子を照射したところ、表面からD_2分子の脱離が観測された。その強度はHD分子の強度より大きかった。また、非ポーラス氷とポーラス氷ではD_2脱離の時間発展は大きく異なった。これにより星間水素分子が宇宙塵を覆う氷表面上で形成されるという説の検討が実験室で出来ようになった。 (3)H(g)十D(ad)/Si→HD(D_2)反応での脱離HD分子の速度分布を測定する為に疑似ランダムチョッパーを用いた飛行時間(TOF)分布測定装置を製作した。予備実験として、エフューシブな300K D_2ビームの600KのH終端Si(100)表面での散乱TOF分布を決め、trapping確率を算出した。引き抜き反応で生ずるHD分子のTOF分布の測定はシステムの感度不足から未だ実現できていない。
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Research Products
(10 results)