2008 Fiscal Year Annual Research Report
ΑΙDによる抗原刺激依存性抗体遺伝子改編機構の研究
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17002015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本庶 佑 Kyoto University, 医学研究科, 客員教授 (80090504)
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Keywords | 免役学 / 抗体 / クラススイッチ / ゲノム / 癌 |
Research Abstract |
AIDがどのようにしてクラススイッチにおけるDNA切断を行なうかについて、新たな発見があった。すなわち、Topoisomerase 1がS領域およびV領域のDNA切断を行なう事を明らかにした。その根拠は、1.Topoisomeraseの特異的阻害剤であるカンプトテシンによってクラススイッチおよびS領域切断が阻害されること、2.AIDによってTopoisomeraseの翻訳が低下し、Topisomerase1の量が低下すること、3.RNAi法によってTopoisomerase1を低下させると、AIDの発現と同様にS領域の切断、クラススイッチが増強すること、4.逆にAIDによるクラススイッチがTopoisomerase1の増加によって減少することである。これらの発見は従来のDNA脱アミノ学説では説明できず、我々が唱えてきたRNA編集説を強くサポートするものである。また、AIDの発現異常によって発癌の危険性が指摘されているので、AIDのプロモータ解析を行ない、ここにおいてサプレッサーが重要な役割をしていることを明らかにした。AIDのプロモータとエンハンサの解析を行ない、イントロの中にサプレッサーが存在し、そのサプレッサーによりAIDが通常の状況では発現しないようになっていることを明らかにした。また、上流のエンハンサにサイトカイン、CD40、Toll receptor等のシグナルに反応してAIDを活性化させる領域を見いだした。これらの解析は様々なDNA断片の欠失やミューテーションを導入したルシフェレースアッセーによって行ない、これまで様々な部分的な解析からの推測によっていたAID発現制御の全貌を明らかにした。今後、この知見に基づき、in vivoでのAID発現制御と発癌の関係をさらに明らかにする予定である。
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Research Products
(41 results)